2009 Fiscal Year Annual Research Report
ボルタンメトリー法による脳虚血再潅流誘導ドパミン、セロトニン受容体機能変化の検討
Project/Area Number |
21590740
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉本 寛司 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 准教授 (70111903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 陽 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (00360040)
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Keywords | 脳虚血 / ドパミン / セロトニン / in vivo |
Research Abstract |
脳虚血性疾患の病態解明は、医学生物学的に重要な課題である。脳虚血代謝エネルギーが低下すると、Na+ポンプ機能が抑制され、細胞内K+濃度減少、Na+濃度増大による脱分極が細胞内Cl-濃度を増加させ脳神経細胞の不可逆的器質的障害が生じる。この脳虚血病態の神経薬理学的解明を目的として、今期一過性脳局所低酸素モデルから検討した。脳局所シアン灌流法によるシアン化ナトリウム(NaCN)誘導エネルギー産生不全発現下の神経伝達放出変化を検討した。アンペロメトリー法(ボルタンメトリー法又は電気化学検出法)を応用して、組織中毒性(NaCN)(C)低酸素症histotoxic hypoxia虚血モデルのモノアミン動態を検討した。脳微小透析膜ガイドカニューラを脳側坐核に挿入固定し、術後良好な個体を用いた。C-C群(側坐核のシアン2mM灌流2回)において、2回のC灌流エネルギー産生不全刺激に対して側坐核DAは著明な放出増加を示した。C-カリウム(K)(40mM)群においても同様なDA放出を認めた。しかし、2回目のC,K灌流刺激では側坐核5HT放出は認められなかった。今回側坐核ドパミン神経系はシアン灌流刺激に対する耐性(抵抗性)が認められたが、側坐核セロトニン神経系はシアン刺激に対するミトコンドリアシトクローム酵素系障害を含む一過性虚血脆弱性を示した。脳虚血における脳部位脆弱性は既に報告されているが、今回モノアミン神経系の相違によるシアン刺激反応性の変化を認めた。(側坐核は脳報償系を構成する中心脳部位であり、ドパミン、セロトニン神経終末とそれらの受容体サブタイプが密に存在する。)
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Research Products
(3 results)