2010 Fiscal Year Annual Research Report
ボルタンメトリー法による脳虚血再灌流誘導ドパミン、セロトニン受容体機能変化の検討
Project/Area Number |
21590740
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉本 寛司 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (70111903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 陽 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (00360040)
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Keywords | 脳虚血 / ドパミン / セロトニン / ロテノン |
Research Abstract |
[目的]虚血は高度の局所的貧血(乏血)を意味する。虚血障害程度は、血管閉塞の緩急、持続時間、部位脆弱性を示す。酸素欠乏は結果的には細胞ATP産生を障害し壊死を示す。今回、一過性脳虚血過程におけるドパミンン及びセロトニン量放出変化の脳内各部位特異性の有無と虚血モデル動物(ミトコンドリア呼吸鎖複合体I阻害ATP産生障害)のモノアミン量及び代謝回転を検討した。 [材料と方法](1)動物雄ラット(Wistar系)8週齢を用いた.実験動物は、抱水クロラール(400mg/kg i.p.)で麻酔した。4VO(椎骨動脈焼灼)手術は、第1頸椎翼状孔椎骨動脈左右の走行確保(筋損傷を最小限に止める)し、日本光電(EL-200型)電気メスチップ(電極:ニードル型と球型併用)により瞬時に焼灼した。抱水クロラール(400mg/kg,i.p.)麻酔下、耳棒使用脳定位固定装置により、ドパミン神経終末部(側坐核、線条体)、セロトニン神経系起始核(縫線核)及び大脳前頭皮質、海馬、又は視床下部外側野にガイドカニューレを挿入固定した。4VO良好モデル動物に高K^+灌流刺激によるドパミン、セロトニン放出変化を検討した。(2)ロテノン投与モデル動物のモノアミン変化:C57BL/6Jマウスにロテノン30mg/kg経口投与し2, 8, 20時間後の側坐核、線条体、外側視床下部、皮質、海馬、扁桃体、背側縫線核、正中縫線核のドパミン、セロトニンを電気化学検出器で定量した。[結果](1)生理的条件下の対照群の脳各部位ドパミン放出は側坐核(45fM/20min)を最大値として各部位の変化を示した。一方セロトニン放出は部位特異的な放出変動は認められなかった。4VO虚血動物のK^+灌流刺激時視床下部の相対的低下以外脳各部位のモノアミン放出増加が認められたが部位特異性は認められなかった。(2)急性ロテノン投与により、8時間後ドパミン、セロトニン脳内含有量が増加したが24時間後回復した。24時間後においても側坐核、縫線核、外側視床下部のセロトニンturnoverが有意に増加した。結果考察後脳虚血後の高次機能障害機序解明に応用したい。
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Research Products
(4 results)