2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590746
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大澤 資樹 Tokai University, 医学部, 教授 (90213686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 亮介 流球大学, 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構, 特命准教授 (00453712)
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Keywords | 親子鑑定 / 遺伝子 / SNP / マイクロアレイ |
Research Abstract |
DNA鑑定は、個人同定・親子鑑定の目的に導入され、PCR反応を利用したフラグメント解析は、大きな威力を発揮している。しかし、解析座位が限られること等に伴う限界から、日本人集団に対する親子以外の血縁関係判定について十分には検討されていない。本年度は、まずABI社製AmpFeSTR Identifierシステムに含まれる15のSTR座位を統合した時に、任意の二者間で、どこまで有意に血縁関係が判定可能なのか検討を加えた。解析結果より尤度比を求め、さらに複合血縁関係指数(CKI)を算出してゆく数理統計的手法には、共有される対立遺伝子の頻度を当該式に代入する従来法と、今回我々が活用しようとしている共有される対立遺伝子数のみにより計算するIBS法の二法がある。いずれの方法においても、親子関係は問題なく判定可能であるが、同胞関係に関しては、非血縁者と重なり判定困難な領域があり、域値を設定する必要性があった。このCKIの重複領域に関しては、従来法に比べIBS法の方が狭く、CKI値そのものは従来法より低い値しか得られないが、判定そのものにはIBS法に有意性があるものと判断された。この結果に関し、現在論文を作成中である。一方で、血縁関係判定におけるフラグメント解析の限界を克服する目的で、既知の血縁関係のあるDNA検体につき、マイクロアレイ解析から大量SNPデータを得る実験を始めている。解析結果の理論的解釈法としては、前述した2法を基本とした方法が可能であるが、二者択一のSNPでは一方の対立遺伝子頻度が高くなってしまうため尤度比は上がりにくく、IBS法が優位ではないかとシュミレーションを併せて実施している。網羅的なSNP解析では、日本人に特異的な変異を検出できる可能性も想定し、血縁関係判定及び人種識別に有効な100から1000程度のSNPを選抜してゆくことを計画している。
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Research Products
(1 results)