2010 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素中毒による脳の酸化ストレス増加作用に関する研究
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21590747
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
原 修一 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70208651)
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Keywords | cAMP / dibutyryl-cAMP / 8-bromo-cAMP / forskolin / H7 / H89 / ヒドロキシルラジカル / ラット線条体 |
Research Abstract |
細胞内cAMP情報伝達系を修飾する薬物のラット線条体ヒドロキシルラジカル(・OH)生成に対する作用を検討し、次の結果を得た。1)膜透過性cAMPアナログであるdibutyryl-cAMP(db-cAMP)50nmolを線条体に直接投与(iSTR)した場合、・OH生成は促進される傾向であったが、100nmolでは逆に抑制された。2)膜透過性cAMPアナログである8-bromo-cAMP(8Br-cAMP, iSTR)は、50nmolまで用量依存的に・OH生成を促進したが、100nmolの作用は50nmlと同程度であった。3)adenylate cyclase依存性に細胞内cAMPを増加させるforskolin(FOR, iSTR)は、10nmolまで用量依存的に、また8Br-cAMPよりも強く・OH生成を促進したが、20nmolの作用は10nmolと同程度であった。4)非特異的kinase阻害薬であるH7は、db-cAMPによる抑制を解除し、8Br-cAMPの作用を増強したが、FORに対してはむしろ抑制的に作用した。5)A kinaseに優先的なkinase阻害薬であるH89は、db-cAMPによる抑制を解除し、8Br-cAMPおよびFORの作用を増強した。6)膜透過性cGMPアナログである8-bromo-cGMP 100nmol(iSTR)は、・OH生成を若干抑制し、H89はこの作用に対してまったく影響を及ぼさなかった。7)膜透過性exchange factors directly activated cAMP(Epac)刺激薬である8-(4-chlorophenylthio)-2-O-methyl-cAMPは、100nmolまで用量依存的に・OH生成を促准した。
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