2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルナー症候群の重複癌の臨床的特長とその原因遺伝子変異の起源に関する研究
Project/Area Number |
21590755
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 二士夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70154979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
針原 伸二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40198932)
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Keywords | ウエルナー症候群 / 発癌 / 重複癌 / 民族差 / WRN遺伝子 / 多型 / ハプロタイプ / 変異起源 |
Research Abstract |
本研究はウエルナー症候群(WS)の症例報告をまとめて、発癌、重複癌を中心とした臨床像のデーターベースを作成し、発癌の特長を明らかにするとともに、東アジアでWSについての紹介、啓蒙、患者調査を行い、WRN遺伝子近傍のマーカー遺伝子を調べて日本人の変異の起源を明らかにする事を目的とする研究である。本年度は、1.最近25年間の学会抄録、論文による569の症例報告を検討し同一症例についての報告をまとめた。そして2.集めた症例報告から、データーベースを作成するために患者ごとの個表を作成した。これをデーターシートとして用いる事とした。3.それを基にデーターベースに用いるための変数を決め、個表からデーターベースのためのシートを作成中であり、同時にExcelベースでパソコンへの入力を開始した。4.ここまでの中間資料からは、日本のWSでは悪性黒色腫が欧米に比べ比較的多い事、1986年以前の悪性腫瘍報告は比較的少ない事、成人発症の肉腫の発症年齢については詳細に検討する必要がある事が判明した。更に、5.WRN遺伝子の変異の起源を調べるための承認を東大倫理委員会から得た。そして6.倫理委員会の承認書類に基づきインフォームドコンセントを得ながら患者サンプル収集を開始した。対照群のDNAは100例以上集まっている。さらに7.WRN内や近傍にあるマーカー遺伝子を選別し、シークエンスを含めた基礎検討を開始した。また8.海外研究協力者との共同研究調整会を行い、臨床像や診断基準についての説明と討議を行なった。そして9.タイ、ベトナムでは各倫理委員会の承認を得た。さらには10.海外で本症と思われる症例があり、各種の診断基準を基に検討中である。
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Research Products
(4 results)