2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルナー症候群の重複癌の臨床的特長とその原因遺伝子変異の起源に関する研究
Project/Area Number |
21590755
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 二士夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70154979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
針原 伸二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40198932)
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Keywords | ウエルナー症候群 / 症例報告 / データーベース / 発癌 / 民族差 / WRN遺伝子 / ハプロタイプ / 変異起源 |
Research Abstract |
本研究はウエルナー症候群(WS)の症例報告からデーターベースを作成し、発癌の特長を明らかにし、SNP解析で変異の起源を調べる事を目的とする研究である。本年度は、1.1982.7-2006間の553Repotsを基に、497例を登録しデーターベースWELTAC1を作成した。WELTAC1はネットの公開を考えている。2.原著論文での報告は234報。男が271例で、平均年齢45.4、血族結婚も家族歴もない例が10例以上あり必須診断項目ではない。3.BMIは男17.7、女16.7で、糖尿病は311例以上、高脂血症中IIb、IV型が各々約25%を占めた。原発性性腺機能低下は58例、知能障害は18例にみられた。白内障手術は平均34/2才。4.悪性腫瘍は133例で、10万人・年あたりの推定頻度は胃癌16.3(平均48.3才)、肺癌12.2(53.3)、肝癌24.5(46.4)、胆嚢・胆管癌16.3(46.2)、乳癌24.5(40.3)で、一般頻度と比べてあまり高くなかった。悪性黒色腫は25例で平均45.6才、鼻腔発症が9例と最も多かった。白血病は11例で平均44.4才、骨肉腫は16例、悪性繊維性組織球症は12例で各々平均46.1才、46.9才であった。既報の如くWSでは間葉系の悪性腫瘍が増加していたが、発症年齢はあまり高くなかった。多重悪性腫瘍症例は20例で、その15例が非上皮性悪性腫瘍との重複であった。良性腫瘍では髄膜腫17例、MDS12例を認めた。5.WRN遺伝子のSNP1-5を検討し、日本人ではSNP3Gがタイ人と比べて優位に増加していた(p=0.000175)。4種の主たるハプロタイプの頻度は各々18.1,17.7,17.0,16.7%であり、TTTGTはタイと比べて優位に減少していた。WSでは特殊なハプロタイプは見つかっていないが、今後検討を進めていく予定である。
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Research Products
(7 results)