2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たな脂肪細胞機能制御分子としての脂肪細胞内eNOSの役割の解明
Project/Area Number |
21590756
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江頭 正人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80282630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 勝矢 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00334384)
大田 秀隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20431869)
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Keywords | eNOS / 脂肪細胞 / 脂肪酸 / メタボリック・シンドローム |
Research Abstract |
本研究の目的は、脂肪細胞内に発現するeNOSの発現調機構ならびに脂肪細胞機能制御における役割を、分子、細胞、組織、個体レベルにて明らかにすることである。平成22年度は、脂肪細胞においてその発現が認められたeNOSがどのような役割をはたしているかを主にeNOSノックアウトマウスをもちいて検討した。eNOSノックアウトマウスに、高脂肪食を負荷したところ、wild-typeマウスにくらべて、体重と総脂肪量の増加がみとめられたが、興味深いことに内臓脂肪量はむしろ低下していた。血液中のインスリン濃度もより増加しており、個体レベルのインスリン抵抗性が悪化していることが示唆された。インスリン抵抗性にかかわる臓器として肝臓をしらべたところ、eNOSノックアウトマウスにおいて肝重量の増加、肝臓内トリグリセリド濃度の増加、肝臓でのインスリンに対する反応性の低下が認められた。また、組織学的検討により高度の脂肪沈着、線維化、炎症細胞の浸潤も認められ、NASH様の組織をていしていた。eNOSの発現はwild-typeマウスの肝臓においてもともと認められなかった。血中遊離脂肪酸の基礎濃度およびイソプロテレノール負荷による血中遊離脂肪酸の上昇の程度は、eNOSノックアウトマウスにおいて有意に高かったことから、eNOSノックアウトマウスの脂肪組織における脂肪分解能の低下しているものと考えられた。以上の結果より、脂肪内eNOSは脂肪分解能を負に制御しており、eNOSノックアウトマウスは、脂肪分解能が亢進し遊離脂肪酸の分泌が上昇しており、このことがNASHの形成に寄与しているものと考えられた。本研究を進めることにより、代謝性老年疾患に対する新たな治療標的を提供することが可能となると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Induction of Endothelial Nitric Oxide Synthase, SIRT1, and Catalase by Statins Inhibits Endothelial Senescence Through the Akt Pathway.2010
Author(s)
Ota H, Eto M, Kano MR, Kahyo T, Setou M, Ogawa S, Iijima K, Akishita M, Ouchi Y.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol.
Volume: 30
Pages: 2205-2211
Peer Reviewed
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