2010 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素適応応答機構における和漢薬の標的分子と病態変化の解析
Project/Area Number |
21590758
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
後藤 博三 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (40313598)
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Keywords | 低酸素誘導因子 / 八味地黄丸 / 桂枝茯苓丸 / 血管内皮成長因子 / アジュバント関節炎ラット |
Research Abstract |
1.腎障害モデルにおける八味地黄丸の効果:5/6腎摘ラットを作成し、八味地黄丸を220mg/kg/day投与する低用量群と660mg/kg/day投与する高用量群に分けて1週間飼育した。その結果:八味地黄丸高用量群で、カンデサルタン3mg/kg/dayと同様の尿蛋白の減少効果を認め、八味地黄丸に急性の腎障害に対する腎保護作用があることが示唆された。さらに、腎組織中のHIF-1αは、Control群に対して高用量八味丸群で有意な上昇を認めた。その標的遺伝子でああるVEGF、Glut-1も、Control群に比べて高用量八味丸群で有意な上昇を認めた。 2.培養細胞を用いた各種生薬・活性成分による低酸素誘導因子関連因子の発現解析:上記活性成分と作用機序を解明するため、八味地黄丸の構成生薬に関して近位尿細管上皮細胞(NRK-52E)を用い、活性主体の検索を実施した。その結果、桂皮の主要成分であるcinnamaldehydeと牡丹皮の主要成分であるpaeonolにHIF-1α増加作用のあることが明らかになった。現在、その作用機序を検討中である。 3.関節炎モデルにおける桂枝茯苓丸の効果:Lewis ratを用いアジュバント関節炎ラットを作成し、これまでの基礎研究で関節炎に有効性が明らかであった桂枝茯苓丸(3%一般飼料に混入)を4週間経口投与し、関節腫脹の程度や血中の炎症性物質を測定した。抗炎症作用はわずかであったが、現在、低酸素誘導因子関連因子の発現解析を実施中である。
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Research Products
(4 results)