2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの予後に対するストレス・パーソナリティの影響についての縦断研究
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21590765
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (10325483)
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Keywords | 関節リウマチ / ストレス / パーソナリティ / 予後 |
Research Abstract |
1.データの電子化 自記式調査票(ストレス調査票を含む)と臨床データ票から、データの電子化(パンチ)を行った。 2.データクリーニング 統計解析ソフトを用いて矛盾した記録や不適切な情報の有無を検索し、原本との照合作業を行い、データの修正作業を行った。 3.統計解析 リウマチの病状の総合的指標として、追跡時点における機能障害(class)を目的変数とした重回帰分析を行った。一連のモデルには、すべてベースライン時点における機能障害を説明変数として含めた。まず、ベースライン時点における様々な臨床的要因(性・年齢を含む)について、stepwise法による変数選択を試みた(選択、除去とも基準はp<0.05)。その結果、血清CRP値、病期(stage)、関節外合併症の数、ステロイド薬使用、抗リウマチ薬使用、および教育歴が有意な変数として選択された。生活習慣要因について同様に検討したところ、飲酒や喫煙などは選択されず、食事項目の中で「天ぷら摂取」のみが選択された。次に、心理社会的要因について検討した。ストレッサーとして、観察期間中のライフイベントについて検討したが肯定的イベント、否定的イベントのいずれも追跡時点の機能障害と関連していなかった。パーソナリティ要因(ストレス調査票)の中では、唯一タイプ5に相当する「葛藤・欲求不満の合理化」のみが追跡時点での機能障害と関連していた。この関連は、上記で有意であった臨床的要因および食事要因を補正しても変わらなかった。また、社会支援を追加補正してもやはり有意であった。ライフイベントとパーソナリティ要因との間に有意な交互作用は認められなかった。
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