2011 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの予後に対するストレス・パーソナリティの影響についての縦断研究
Project/Area Number |
21590765
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (10325483)
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Keywords | 関節リウマチ / ストレス / パーソナリティ / 予後 / 感情 |
Research Abstract |
初めに、欠損値の多かった食習慣項目を解析から除外したところ、有意な関連のある食習慣は見いだせない結果となった。昨年度の報告をここで訂正したい。 主要課題である「葛藤・欲求不満の合理化」(「ストレス調査票」で評価するパーソナリティ要因、以下「合理化」)について、重回帰モデルを用いて様々な要因を補正した検討を行った。追跡開始時のクラス分類と合理化の2つを独立変数として含むモデル(基本モデル)に、同時期のリウマチ疾患重症度に関する変数を追加したところ、これらはいずれも機能障害(追跡時クラス分類)と有意に関連していたものの、合理化と機能障害との関連は変わらなかった。同様に、基本モデルに治療に関する変数を追加した場合、社会経済状態に関する変数を追加した場合、さらに疾患重症度、治療、社会経済状態のすべての変数を追加した場合のいずれにおいても、合理化は2年後の機能障害と有意に関連していた。 ライフイベントについては、昨年度に解析した個々のイベントの有無ではなく、「発生個数」を新たな独立変数として解析を行ったが、「ライフイベントの数」自体(主効果)は、肯定的イベント、否定的イベント、全イベントのいずれも機能予後と関連していなかった。一方、イベント発生時の感情処理と関連する2つのパーソナリティ要因(ストレス調査票尺度)との間に興味深い相互作用を認めた。すなわち、合理化の強弱で分けた2群間ではライフイベントと機能予後との関連に目立った違いはなかったが、情動体験欠如の傾向が強い群においてライフイベント数が機能予後悪化と関連し、この傾向が弱い群では関連が見られなかった。ライフイベント数と情動体験欠如との交互作用は統計的に有意であった。 自己免疫疾患モデルにおいて、情動・感情処理過程の個人差、および外的事象との相互作用が身体に及ぼす影響に関する複雑な機構を解明する新たな手がかりを得たものと考えられる。
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