2009 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬の免疫調節性分泌膜小胞を介した薬効発現機序の解析に関する研究
Project/Area Number |
21590772
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山田 陽城 Kitasato University, 大学院・感染制御科学府, 教授 (60096691)
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Keywords | 漢方薬 / 補中益気湯 / 腸上皮細胞 / 液膜小胞 / プロテオーム / 粘膜免疫機構 |
Research Abstract |
本研究の目的は腸上皮細胞から分泌される液膜小胞が増強性および抑制性の免疫調節作用を有することに基づき、補中益気湯の経口投与によるマウス血清由来の液膜小胞の含有成分の変化を明らかにするとともに、本方剤の投与後の液膜小胞の免疫調節作用を検討することを目的とする。平成21年度は、含有成分の変化について焦点を当て、以下の検討を行った。マウスへの補中益気湯の経口投与による腸上皮由来の液膜小胞の含有分子の変化を予測するため、ラット十二指腸由来株化腸上皮細胞(IEC-6)を用い、in vitroでの補中益気湯処理による免疫関連分子のmRNA発現変化を解析した結果、パターン認識分子のNOD2およびTLR9、アポトーシス関連因子のFasおよび接着因子のVCAM-1の発現上昇を認めた。さらに、methotrexateを投与した腸上皮障害モデルマウスへの補中益気湯の投与によるこれらの免疫関連分子mRNAの発現変化をin vivoで解析し、本漢方薬の経口投与によるNOD2およびTLR9 mRNA発現上昇がin vivoにおいても確認され、これらのパターン認識分子を介して液膜小胞が腸管外の免疫組織に対する機能調節作用を発現することが推定された。また、補中益気湯を経口投与した加齢マウスの血中の液膜小胞の組成タンパクの変化をSDS-PAGEにより分析し、30-48KDaのタンパク群に変化が認められることを推定し、今後NOD2やTLR9とともに、これらの分子の同定を行う必要性が示唆された。
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Research Products
(11 results)