2010 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬の免疫調節性分泌膜小胞を介した薬効発現機序の解析に関する研究
Project/Area Number |
21590772
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山田 陽城 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 教授 (60096691)
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Keywords | 漢方薬 / 補中益気湯 / 腸上皮細胞 / 液膜小胞 / プロテオーム / 粘膜免疫機構 |
Research Abstract |
本研究の目的は腸上皮細胞から分泌される分泌膜小胞が増強性および抑制性の免疫調節作用を有することに基づき、補中益気湯の経口投与によるマウス血清由来の膜小胞の含有成分の変化を明らかにするとともに、本方剤の投与後の膜小胞の免疫調節作用を検討することを目的とする。平成22年度は、平成21年度に見出されたmethotrexate投与で作製した腸上皮障害モデルマウスでの補中益気湯投与による腸管でのNOD2およびTLR9 mRNA発現増強作用について経日変化の検討を行った。その結果、methotrexate投与マウスへの補中益気湯投与開始10日目でNOD2およびTLR9 mRNAの発現増強が起こることが観察された。腸上皮から分泌される膜小胞には腸上皮細胞の構成タンパクの組成が反映される。本年度の結果から、腸上皮由来の膜小胞でのNOD2やTLR9タンパク分子が増加する可能性が期待されたことから、分泌膜小胞上のこれらのパターン認識分子タンパクの発現変化の検討について漢方薬投与および非投与群で経日的に開始10日目以降で行う必要があると考察された。また、補中益気湯を経口投与した加齢マウスの血中の分泌膜小胞の組成タンパクの変化を1次元SDS-PAGEにより分析し、30-48KDaのタンパク群に変化が認められたが、膜小胞の回収率が実験毎に一定とならない問題点があった。そこで、既報の調製法以外の膜小胞調製法の検討が必要であることや、2次元電気泳動での検討の必要性が考えられた。
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Research Products
(16 results)