2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の易転倒性に関する、骨・筋・運動機能及び脳画像の縦断解析研究
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21590774
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
鳥羽 研二 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 病院, 病院長 (60155546)
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Keywords | 転倒 / 大脳白質病変 / 脈波伝播速度 / 虚血 |
Research Abstract |
I 認知症の過去6ケ月の転倒調査及び転倒リスク調査票調査:杏林大学病院もの忘れセンターに通院中の患者98名(男性32名、女性66名)を対象に、転倒歴を含む22項目転倒スコアのほか、各種転倒関連検査を行った。1年間観察した結果、転倒者数は33名であった。1年間で転倒した患者としなかった患者の間で統計的に有意な違いがあった主な測定項目は次のとおり:調査開始前の転倒歴、転倒スコア(7.9:10.9)、老年症候群の保有数(3,8:4.7)、血清P濃度(3,6:3.4)、血清ALB濃度(4.2:4.0)、開眼片足立ち時間(11.1:7.0)、Up&Goテスト(14.3:18.1)、手伸ばし到達距離(25.0:21.2)、重心動揺距離(63:88)。逆に有意差が認められなかった主な測定項目は次のとおり:年齢、性別、下腿最大周囲径、上腕周囲径、握力、血清Ca濃度、高感度CRP濃度、腰椎骨密度、大腿骨頚部骨密度 II 認知症の画像検査:大脳白質病変は歩行障害・転倒、認知障害、意欲低下、排尿障害などの症状の出現と関連する。また、大脳白質病変は動脈硬化危険因子の中でも加齢、高血圧との関連が深い。そこで、高血圧合併症例において、降圧薬の種類と脳白質病変との関連について検討した。その結果、Ca拮抗薬服薬群とレニン・アンジオテンシン阻害薬服薬群との間で、白質病変の程度(MRIでの半定量評価)に有意な違いが認められた(Ca拮抗薬服薬群の方が重度)。また、脳白質病変の進行した認知機能低下患者は脈波伝播速度(PWV)による評価で動脈の伸展性が悪いことが判明した。 III 脳血管障害のモデル動物の作成:マウスの両側頸動脈を微小コイルで被覆することで大脳白質の虚血性障害を誘発するモデルを現在作成中である。
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Research Products
(5 results)