2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の易転倒性に関する、骨・筋・運動機能及び脳画像の縦断解析研究
Project/Area Number |
21590774
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Research Institution | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
Principal Investigator |
鳥羽 研二 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 病院, 病院長 (60155546)
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Keywords | 転倒 / 脳表血流量 / ビタミンD / 虚血 |
Research Abstract |
1認知症患者の歩行に関連する脳血流量分布に関する検討:認知症患者11名(平均年齢79.3±4.1歳、男性6名、女性5名)、正常対象者5名を対象として、機能的近赤外スペクトロスコピーを行い、各種タスクによる脳表脳血流量の分布変化を検討した。その結果、レビー小体病患者では障害物を乗り越える際に、後頭葉外側部の血流増加、右前頭部の血流低下が観察された。一方、アルツハイマー病では、右前頭部での血流低下が観察された。さらに、軽度認知障害患者では前頭葉の血流増加を示した。また、自覚的不安感の有無に基づくハンカチテストが陽性となる患者は、把持により両側後頭葉の血流増加が見られた。 2.転倒指標とビタミンD濃度の関連に関する検討:もの忘れセンター通院患者について、転倒スコア、片足立ち持続時間、TUG、継足歩行、Functional Reach(FR)、握力、各種血液生化学検査と25(OH)Vit D濃度と各種測定値との関連について検討した結果、25(OH)Vit D濃度は握力(r=0.44)、TUG(r=-0.52)、FR(r=0.44)とそれぞれ有意な相関を示した。このことから、25(OH)Vit D血中濃度は筋肉量や筋力、歩行機能と関連することが示唆された。 3.脳血管障害モデル動物の作成:C57BL6マウス(10週齢)の両側頸動脈外周に内径0.18mmの微小コイルを被覆し、4週後sacrificeし、パラフィン包埋後の脳切片をKluver-Barrera染色し、脱髄の程度を評価した。その結果、脳梁部が脱髄を起こしていることが確認できた。これは虚血障害を起こした所見であり、モデルの作成に成功したことを示すものである。なお、同マウスには非障害マウスと比較して歩行動揺性やrestlessness、興奮、無関心など様々な行動異常が観察された。今後、歩行ほか、機能障害について評価を行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation]2011
Author(s)
鳥羽研二
Organizer
第28回日本医学会総会
Place of Presentation
(震災のため総会は中止学術講演収録DVD)
Year and Date
20110400
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