2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞の進行増悪における炎症性バイオマーカーの変化とスタチンの効果に関する研究
Project/Area Number |
21590778
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 泰弘 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 教授 (40231518)
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Keywords | 脳梗塞 / 進行性脳梗塞 / スタチン / サイトカイン / 高感度CRP |
Research Abstract |
脳梗塞の10-20%は、入院後も神経症候の増悪進行をきたし進行性脳卒中(progressing stroke)と呼ばれ、脳卒中患者の転帰悪化の最大の要因である。近年、脳虚血の病態に炎症が関与し、炎症性サイトカイン等の変化を超急性期の患者末梢血中でとらえうることが小規模臨床試験で報告されている。スタチンは強力な脂質低下作用に加え、抗炎症作用を有することが報告されており、発症直後からのスタチン投与による進行増悪の防止が期待できる可能性がある。本研究の目的は、1群50例規模としてIL-6,8,10,やMMPsなどのsurrogate markerと進行増悪、転帰との関連を検討し、ハードエンドポイントを含むランダム化比較試験の設計を行うことにある。平成21年度末までに発症48時間以内の急性期脳梗塞患者151例が登録され、プロトコールに従って早期スタチン群と非早期スタチン群にランダム化され、入院時、第3病日、第7病日に炎症性バイオマーカー(hsCRP、IL-6、IL-10、MMP-2、MMP-9、TNF-α)濃度を測定した。ランダム化比較試験の結果は、予定症例数の登録と追跡が完了して行われるが、非ランダム化データを用いた研究成果を、国際誌に投稿済みである。研究内容の一部は、国際学会において報告した(International Stroke Conference, San Antonio TX, USA, Feb 24-26, 2010)。現在までに、hsCRP、IL-6、MMP-9は初期病変の大きさこ関連していること、スタチンによりIL-6濃度の低下が得られること、急性期の増悪進行にはIL-10濃度が関与することが明らかとなっており、これらを含むランダム化データの成果は19^<th> European Stroke Conference May 2010 Barcelona, Spainにおいて報告する予定である。また、その成果をもとにハードエンドポイントを含む比較試験の設計に関する解析を研究期間中に完成する予定である。
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Research Products
(75 results)