2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法による末梢神経障害に対する治療法の開発-臨床研究と動物実験による解明-
Project/Area Number |
21590779
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
福田 文彦 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 准教授 (80238485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和憲 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 准教授 (90351353)
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Keywords | 癌 / 補完医療 / 鍼治療 / 化学療法 / 末梢神経障害 |
Research Abstract |
化学療法では末梢神経障害(痛みを伴うしびれ)のため、患者のQOL低下や投薬中止を余儀なくされるが、有効な治療方法はない。我々は、その末梢神経障害に対して鍼治療が安全で有効な治療方法であることを本科学研究費等で臨床研究及び動物実験により検討している。当該年度では、化学療法の中でもタキサン系の薬剤であるPaclitaxel (PTX)に焦点を当てて見当した。 臨床研究:PTX投与に起因する下肢末梢神経障害(しびれ)を有する15名に対し、週1回の間隔で合計6回の鍼治療(陽陵泉-懸鐘・陰陵泉-三陰交:鍼通電刺激、太衝:置鍼術)を行った。研究期間は、評価を含め7週間とし、鍼治療期間前(鍼治療1回目開始前)と鍼治療期間後(鍼治療6回目終了1週間後)に評価を行った。結果、鍼治療期間前後において、しびれの主観的評価であるVASは63[46-73]mmから42[9-68]mm(中央値[四分位範囲])と有意な改善が認められた(p=0.038)。また鍼治療期間後アンケートによる軽減群と不変群の検討では、タッチテストにおいて不変群に異常値が多く2群間に有意な差が認められた(p=0.035)。 動物実験:当該年度は、鍼刺激の有効な刺激条件を検討することを目的として、刺激量を変更(2Hz、0.07mA)して実施した。雄性SD系ラット(300-500g)をコントロール群、鍼通電群の2群に分けた。神経障害モデルは、PTX(1mg/Kg、隔日4日)投与することで作成した。鍼通電刺激は、右下腿(足三里-懸鐘付近)へ行った。その結果、機械的閾値は、閾値が正常に戻る日数では両群間に有意な差は認められなかった。しかし、皮膚表面温度は、鍼通電刺激群が改善する傾向を示した。
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Research Products
(8 results)