2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌におけるEGF様増殖因子の放出に連動した核内転写抑制の解除機構
Project/Area Number |
21590790
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
城 卓志 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30231369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 諭史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30528782)
片岡 洋望 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40381785)
|
Keywords | BCL6 / HB-EGF-CTF / cyclinD2 / 胃癌 / 癌治療戦略 |
Research Abstract |
【目的】EGFは消化器癌の増殖に重要である。さらに最近EGF(HB-EGF)細胞外ドメインsheddingに伴うHB-EGF-CTF核移行後の核内転写制御の解除が癌の増殖に重要な役割を果たしていることが明らかになった。核内転写制御解除機構の解明が消化器癌の新規治療の開発につながると考え、HB-EGF-CTFの標的となる核内リプレッサーの探索および機能解析を行った。【方法】HB-EGF-CTFと結合する核内リプレッサーを網羅的にスクリーニングした。胃癌細胞株においてTPA刺激により、HB-EGF細胞外ドメインsheddingされた後、発見した核内リプレッサー(BCL6)および細胞周期蛋白cyclin D2の発現をウェスタン解析で確認した。BCL6をsiRNAでノックダウン時のcyclin D2 mRNAおよび蛋白発現も解析した。HB-EGF-CTFおよびBCL6の結合を免疫沈降で解析した。HB-EGF-CTFおよびBCL6細胞内局在の変化を蛍光免疫染色で調べた。BCL6核外放出後ユビキチン分解を免疫沈降にて解析した【結果】HB-EGF-CTFの標的の新たな核内リプレッサーBCL6を見出した。TPA刺激によりBCL6発現は減少し、cyclin D2発現は増加した。この効果はADAM阻害剤(KB-R7785)にてsheddingを抑制すると消失した。BCL6をsiRNAでノックダウンすると、cyclin D2発現は増加した。TPA刺激によりHB-EGF-CTFは核移行しBCL6と結合後BCL6を核外にくみ出した。その後BCL6はユビキチン分解された。HB-EGF陽性100症例の胃癌切除組織において、BCL6発現が低下、cyclin D2蛋白発現亢進した。【結論】HB-EGF-CTF核移行シグナルやBCL6の核外放出抑制は、癌増殖制御し新たな癌治療戦略になりうると考えられた。
|
Research Products
(3 results)