2011 Fiscal Year Annual Research Report
大腸上皮におけるWnt/Notchシグナルクロストーク機構の解明
Project/Area Number |
21590805
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 伸治 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10456212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (70265809)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
|
Keywords | 大腸上皮細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 / Wntシグナル / Notchシグナル |
Research Abstract |
本研究では、われわれが新規に見出したWnt/Notchシグナル間クロストーク機構が腸管上皮において担う役割を詳細に解析することを目的とした。このため平成23年度においては、下に記したいくつかの成果が得られた。 まず、腸管上皮細胞分化に重要な機能を担う転写因子Hath1分子の発現がNotchシグナルによりいかなる制御をうけるかを調べた。その結果、Notchシグナル下流ではたらく別の転写因子HES1がHath1転写に果たす機能の詳細を明らかにすることができた。 次に、このHath1分子発現をマーカーとしてヒト大腸癌細胞が分類可能できることを示すとともに、Hath1タンパク分解機構と大腸癌の性状が密接に関わることを明らかにした。 さらに、昨年度に引き続き、Wnt/Notchシグナル間クロストーク機構を解析するツールを構築するために、正常腸管上皮幹細胞の培養技術を確立した。その結果、細胞単離技術、3次元培養基質条件、蛋白因子添加条件の最適化により、正常マウス大腸上皮細胞がきわめて純度の高いまま、1年を超えて、しかも無血清培地中で継代操作を経て維持可能となった。重要なことに、本培養添加因子としてはWntリガンドが不可欠であるとともに、本系における幹細胞維持にはNotchシグナルも重要であることを見いだした。 今後は、これら成果をさらに発展させることによって、Wnt/Notchシグナルの詳細な分子機構が正常上皮細胞の培養系を利用して初めて明らかになることが期待されると考える。
|
Research Products
(13 results)