2009 Fiscal Year Annual Research Report
NKT細胞を標的とした潰瘍性大腸炎新規治療法の開発
Project/Area Number |
21590806
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
長堀 正和 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 助教 (60420254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 宇司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60447464)
荒木 昭博 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80361690)
岡本 隆一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (50451935)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / 粘膜免疫 / 新規治療法 / NKT細胞 |
Research Abstract |
本研究は申請者らが独自に研究を展開してきたCD1d分子を介したNKT細胞の機能調節に注目し、潰瘍性大腸炎の病態における免疫学的影響と新規治療標的としての可能性について着目している。その結果、本研究では当該研究期間に以下のような成果が得られた。1)マウス腸上皮細胞株MODE-Kを用いた実験では、MTPの阻害剤による機能抑制によって細胞表面に発現するCD1dが減少し、小胞体付近の核近傍などの細胞内に限局することが観察された。2)またMTP阻害剤を投与したマウスにおいて、特に重篤な副作用を呈する傾向は認められず、骨髄、脾臓、末梢リンパ節や腸管粘膜局所におけるT細胞、B細胞などの一般の免疫担当細胞に大きな変化を誘導しないことが確認された。3)さらに抗CD1d抗体を用いた免疫沈降による生化学的解析結果からは、腸上皮細胞においてCD1dとMTPは互いに会合していることが示唆された。これらの研究結果はMTPが小胞体におけるCD1dの脂質化と、その後の細胞内膜輸送に深く関与する事実と、NKT細胞の機能を調節し得る可能性を暗示するものと思われる。さらにこの分子が炎症性腸疾患の病態においてその治療標的になりうることが示唆され、今後の研究成果が期待されるものと思われる。
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[Journal Article]2009
Author(s)
長堀正和、渡辺守
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Journal Title
【炎症性腸疾患 診断と治療の進歩】潰瘍性大腸炎の管理・治療 潰瘍性大腸炎の内科治療(解説/特集)日本内科学会雑誌 98巻(日本内科学会)
Pages: 54-60
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