2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患におけるサイトメガロウイルスの再活性化およびその感染成立機構の解明
Project/Area Number |
21590810
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲瀬 裕志 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (60362498)
|
Keywords | 炎症性腸疾患 / サイトメガロウイルス / マクロファージ / サイトカイン |
Research Abstract |
1.IBD患者におけるHCMV再活性化機構の機序の解明:潰瘍性大腸炎患者、クローン病患者、健常人の末梢血から単球を単離、サイトカインに加えてLPS刺激による樹状細胞assay系を樹立させ、このassay系を用いることにより、炎症性腸疾患患者群および健常人の樹状細胞におけるHCMV再活性化の差異について検討した。その結果、各群でHCMVの再活性化に差は認められなかった。各種サイトカインによる刺激後のHCMV再活性化の差異について検討した結果、HCMV活性化に関しては、TNF-αはCWの再活性化促進に、1FN-γは再活性化抑制に作用することが示された。 2.HCMV再活性化に伴う樹状細胞やマクロファージの機能変化の解析:上記で記載された樹状細胞をLPS刺激により分化させ(樹状細胞内のHCMV-DNAが増加する)、その後TGF-βによる刺激を加え、各種サイトカインの産生について検討する。分化前と分化後でTGF-β受容体の発現およびSmad pathwayについて比較検討中である。 3.HCMV再活性化後の腸管内感染成立機構の解明:HCMVの再活性化後の局所腸管粘膜におけるHCMV粒子の感染成立の機序の解明を行う。線維芽細胞や血管内皮細胞はHCMV粒子の主たる標的細胞とされている。そこで各種炎症性腸疾患の腸管炎症部位と非炎症部位において、HCMV受容体とされるEGFRおよびintegrin αvβ3の発現の差異について組織学的に検討した。その結果、腸管非炎症部位に比して、炎症部位ではEGFRおよびintegrin αvβ3の遺伝子発現の増強が認められた。現在、免疫染色による発現細胞の同定を行っている。
|
Research Products
(5 results)