2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスNS3蛋白質と宿主病態制御分子の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
21590824
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 貴史 山形大学, 医学部, 准教授 (80250918)
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Keywords | C型肝炎 / HCV / 肝細胞がん / HCC / NS3 / 予測因子 / ウイルス / 二次構造 |
Research Abstract |
HCV NS3蛋白N末端120残基の二次構造多型性に基づいたHCV NS3グループ分類は、後ろ向き患者コホート研究にて、肝細胞がん(HCC)の発がんリスクとの関連性を有している。このNS3グループ分類とC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリン(PegIFN・RBV)併用療法の治療効果との関連性を、前向き患者コホート研究にて検討した。対象は、HCV-1b型感染で高ウイルス量(100KIU/ml以上)のC型慢性肝炎132例。NS3グループ分類は、Robson法によりグループA,B,Cに分類した。これら3グループに分類可能であった129例を解析対象とした。NS3グループ分類とPegIFN・RBV併用療法の治療効果の関連性について検討した。平均観察期間は5.9±1.2年。HCV NS3蛋白質の二次構造分類は、グループAが43例(31%)、グループBが71例(51%)、グループCが15例(10%)、混合型が3例(7%)、であった。グループA,B,Cの3群間に、性、年齢、ALT、HCV RNA(アンプリコア法)、線維化ステージ、に有意差は見られなかった。NS3グループ分類とPegIFN・RBV併用療法の治療成績の検討では、sustained virological response(SVR)となった症例は、グループA/Cに多く(52%)、グループBに少なかった(32%)(P<0.05)。また、本コホートのおけるHCC発がんは、グループAで1例(2.3%)、グループBで5例(7.4%)、グループCで3例(20.0%)であった(P=0.075)。発がん症例9例のうち、8例はPegIFN・R8V療法のウイルス学的無効症例であった。本研究により、HCV NS3領域アミノ末端120残基の蛋白質二次構造の多型性が、C型慢性肝炎におけるPegIFN・RBV併用療法の治療効果の予測に有効であり、また、C型慢性肝炎患者の発がんにも関連している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Secondary structure of the amino-terminal region of HCV NS3 and virological response to pegylated interferon plus ribavirin therapy for chronic hepatitis C2010
Author(s)
Sanjo M, Saito T, Ishii R, Nishise Y, Haga H, Okumoto K, Ito J, Watanabe H, Saito K, Togashi H, Fukuda K, Imai Y, El-Shamy A, Deng L, Shoji I, Hotta H, Kawata S
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Journal Title
J Med Virol
Volume: 82
Pages: 1364-1370
DOI
Peer Reviewed
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