2009 Fiscal Year Annual Research Report
TLRsは、どの様な機序でNASH発症・進展を修飾するのか?
Project/Area Number |
21590825
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 整 Yamagata University, 保健管理センター, 教授 (60192209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 和夫 山形大学, 医学部, 助教 (00466608)
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Keywords | NASH / メチオニン・コリン欠乏食 / TLR2 / TLR4 / kupffer細胞 / ノックアウトマウス / in situ hybridization / ヒト |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発症・進展に対し、Toll like receptors(TLRs)の関与を明らかにするため、in vivoの実験を中心に行った。【方法】野生型(WT)マウスの肝でのTLR2、TLR4の発現を調べるためin situ hybridizationを行った。WT、TLR2KO、TLR4KOの各マウス(生後7~10か月,雄)にmethionine-choline欠乏(MCD)食を摂取させ、脂肪性肝炎モデルを作成した。投与開始後経時的にマウスをと殺し、血液生化学検査(AST、ALT)と肝組織学的検索(H&E染色,steatosis gradeおよびinflammation gradeにて評価)を行った。WTマウスについては、MCD食投与後の肝におけるTLR2,TLR4の蛋白発現の変化を調べた。【成績】in situ hybridizationの結果、肝組織では主にKupffer細胞にTLR2、TLR4が発現されていた。MCD投与20週目において、TLR2KO群は、WT群に比べて有意に肝障害や脂肪化の増悪を認めた(P<0.01)。またTLR4KO群は、WT群に比べ有意に肝障害や脂肪化の軽減を示した(P<0.01)。ウエスタンブロッティングにて、MCD食投与後WT群の肝でのTLR2、TLR4の発現の変化はみられなかった。【意義と重要性】マウスNASHモデルにおいて、TLR2は肝の脂肪化および炎症を抑制し、TLR4は促進的に働くことが考えられた。特異的なin situ hybridizationにて、TLR2、TLR4はKupffer細胞に発現されることが明らかになった。NASHを含むヒトの非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)発症・進展にTLRsが関与する可能性があり、臨床的にも意義があると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
冨樫整、河田純男
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Journal Title
改訂第7版内科学書:糖原病、尿素代謝異常、肝アミロイドーシス、肝脂質蓄積症、肝性ポルフィリン症、α1アンチトリプシン欠乏症、色素代謝異常(小川聡:総編集、井廻道夫:部門編集)(中山書店)
Pages: 275-280
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