2011 Fiscal Year Annual Research Report
TLRsは、どの様な機序でNASH発症・進展を修飾するのか?
Project/Area Number |
21590825
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 整 山形大学, 保健管理センター, 教授 (60192209)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 和夫 山形大学, 医学部, 助教 (00466608)
|
Keywords | NASH / NAFLD / メチオニン・コリン欠乏食 / TLR2 / TLR4 / 免疫組織化学 / 腹部超音波 / IGFBP-2 |
Research Abstract |
【研究の目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症・進展において、Toll like receptors(TLRs)の関与を明らかにし、ヒトNAFLDのバイオマーカーの確立を目的として、研究を行った。 【方法】野生型(WT)マウスにおけるTLR-2とTLR-4の蛋白発現を免疫組織学的にて調べた。WTマウスにメチオニン・コリン欠乏食(MCD食)を与え、実験的に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を惹起し、TLR-2とTLR-4の蛋白レベルでの発現を免疫組織学的検査にて経時的に調べた。さらに、ヒトNAFLDにおいて、血清中1GF-binding protein-2(IGFBP-2)が脂肪肝の病態に関連したバイオマーカーになり得るか調べた。 【結果】MCD食投与前のWTマウス肝の免疫組織学的検査では、TLR-2とTLR-4はKupffer細胞に発現されており、in situ hybridizationの結果と同様であった。しかし、MCD食投与後NAFLD発症に伴いTLRs(特にTLR-2)は、脂肪蓄積した肝細胞での発現が亢進した。この発現亢進は、MCD食投与後2、4、6、8週目に一定して認められた。腹部超音波にて診断したヒトNAFLD群(n=20)では、血清中IGFBP-2値315±241(ng/ml)であるのに対し、対照群(n=15)では574±295(ng/ml)とヒトNAFLD群では対照群に比べ有意に(P<0.01)低値であった。 【研究成果の意義】肝細胞でのTLR-2の発現が増大し、NAFLD発症を抑制すると考えられた。IGFBP-2はNAFLD発症・進展抑制因子であることが推測された。ヒトNAFLD者では、対照者に比べIGFBP-2が有意に低値を示し、IGFBP-2がNAFLD抑制に働く臨床的にも有用なバイオマーカーになり得ることが示唆された。 の
|
Research Products
(4 results)