2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590836
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
坂本 穣 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (60324191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
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Keywords | 臨床 / 内科 / ウイルス / ゲノム / 遺伝子 |
Research Abstract |
本年度は臨床的な検討から、C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン併用療法においてHCVゲノムのNS5A-ISDR、-IRRDRやCore領域変異(R70Q)(L91M)が治療効果と関連していることが明らかにした。これまでに、実際の臨床検体を用いて、レプリコン系でISDRないしはIRRDRを含むNS5A変異と、その上流に位置するadaptive mutationの認められた過剰リン酸化部位のセリン残基部位における変異を検討し、これらの変異と臨床経過との関連を詳細に検討し、ウイルス増殖や治療反応性に与える影響について検討した。これまでに、独自にHCV genotype 1bレプリコン系を作成、さらにその複製発現を任意の選択markerとreporter遺伝子でhigh-throughputに解析できるHCVレプリコンreporter systemを開発し、異なる増殖能を示す複数のレプリコンを樹立入手した。これらの遺伝子を種々に組みかえることにより、増殖能を規定するHCV遺伝子部位を同定し、さらに、これらの部位に変異導入を行うことにより、遺伝子型による増殖能の相違を規定している遺伝子部位を特定することを目的として研究を開始した。これにより、初期の抗ウイルス効果(RVR、p-EVR、c-EVR)との関連や、再燃抑止効果、最終的な抗ウイルス効果等と遺伝子変異との関連について検討した。また、インターフェロン治療効果は、年齢・性別・肝線維化等の宿主因子とも関連していることが明らかにし、遺伝子変異との関連を、遺伝子変異の頻度から、宿主因子との関連を明らかにした。これらは、インターフェロン治療効果の予測マーカーの開発に資する重要な情報になりうるため、臨床的には非常に重要と考えられる。
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