2009 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌における血清中のメチル化遺伝子を用いた腫瘍ダイナミクスの推定と臨床応用
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21590840
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 直生志 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (60281755)
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Keywords | 肝癌 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 癌抑制遺伝子 / 血清診断 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
本年度は、肝細胞癌(肝癌)を対象とし、腫瘍ダイナミクスを早期に反映する新規マーカーの開発に有用な、癌特異的な遺伝子メチル化を検出した。肝癌部、およびその非癌部を用い、19種類のがん抑制遺伝子プロモーターのメチル化レベルをCOBRA法で解析し、非癌部肝と肝癌部を分別するのに適したCpG部位をROC曲線により解析した。その結果、APC遺伝子、GSTP1遺伝子、RASSFIA遺伝子、p16遺伝子の4種の癌抑制遺伝子プロモータ0のメチル化レベルを用いることで、肝癌部と非癌部を効率的に分別できることが明らかとなった(各々のAUCは以下のとおり:APC=0.90086、 GSTP1=0.84742、 RASSF1A=0.79762、 p16=0.79762)。次に、肝癌例の循環血中で、これらの遺伝子座位のメチル化を定量し、全血中よりも、むしろ血清由来DNAからの検出が優れていることを明らかにしている(全血より血清由来DNAの方が、癌由来遺伝子の含有割合が高い)。さらに、我々は血清中のメチル化DNAを高感度に定量化するsemi-nested PCRを応用したMethyLight法を開発した。すなわち、血清から抽出したDNAをBisulfite処理後、メチル化、非メチル化DNAを同時に増幅できるPCR primerを設計し、さらにその増幅構造の内側に、さらにメチル化、非メチル化DNAをそれぞれ特異的に増幅するsemi-nested PCR primer、およびTaqMan probeを設計した。これにより、従来よりも微量検体から高感度に、同一チューブ内で1回の反応系でメチル化DNAと非メチル化DNAの比を知ることが可能となった。肝癌の担癌患者では癌由来DNAが血中に流出することより、メチル化DNAと非メチル化DNAの比が変化することが予想され、現在このアッセイ系を用いて検討中である。
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Research Products
(9 results)