2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌における血清中のメチル化遺伝子を用いた腫瘍ダイナミクスの推定と臨床応用
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21590840
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西田 直生志 近畿大学, 医学部, 准教授 (60281755)
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Keywords | 癌 / ゲノム / 内科 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
本研究では、腫瘍ダイナミクスを鋭敏に反映する血清マーカーに、癌特異的な遺伝子メチル化の変化を応用することを目的とした。血清中の肝癌由来DNAの検出に優れたメチル化マーカーを選択するため、133例の肝癌例を対象とし、メチル化異常が知られている26種の遺伝子座位の癌、及び非癌部組織のメチル化レベルをCOBRA法にて定量し、ROC解析にて癌部と非癌部の区別に有用な遺伝子座位と求めた。その結果、AUCが0.8以上を示す遺伝子はAPC,GSTP1であった。次に、APC遺伝子のメチル化DNAと非メチル化DNAの割合(Me/NMe DNA比)を、血清中の遊離DNAから高感度に検出、判定するため、APCプロモーターのCpG islandに、Bisulfite処理後のDNAをメチル化の状態に関わらず増幅するプライマーを設定し、さらにその内部にメチル化、非メチル化DNAをそれぞれ特異的に増幅、検出するTagManプライマー,プローブを設定することにより、1stepで高感度にMe/NMe DNA比の定量的解析が可能となった。肝癌組織DNAを希釈し、このアッセイ系でMe/NMe DNA比を求めたところ、COBRA法の結果と一致した。次に、肝癌症例23例および正常者8例の血清100μ1よりDNAを抽出、Bisulfite処理し、上記の方法でMe/NMe DNA比を求めたところ、肝癌症例の血清では全例で定量が可能であり、正常者では血清中にMe-DNAは検出されなかった。脈管浸潤のある肝癌例の血清では、脈管浸潤のない肝癌血清より有意に高レベルのメチル化DNAが検出された(p=0.0013)。また肝癌再発の際には、従来の腫瘍マーカーであるAFPよりも早期に検出され、治療による低下もAFPより早期に認められた。微量血清より、高感度に腫瘍由来DNAに対する非腫瘍由来DNAの比率(Me/NMeDNA比)を求めるアッセイ系を確立した。腫瘍の増殖状態ではこの比率が上昇し、非増殖状態では低下することが予想される。この方法は、dormant therapyを始めとした化学療法の効果判定に有用なマーカーになり得る可能性がある。
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Research Products
(6 results)