2010 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指した細胞周期関連分子を介した肝再生促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
21590852
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永濱 裕康 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60381000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 裕 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70235282)
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Keywords | 肝再生 / 細胞周期 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
前年度は肝再生を担う分子メカニズムとして、細胞周期関連分子、特にp27^<Kip1>の発現・分解系に着目し、p27^<Kip1>を介してG0期にある肝細胞をG1期へと再進入することが可能と考えられるエストリオール(E3)ならびにエストラジオール(E2)を用いた肝再生促進モデルでの検討を行った。Ki67やBrdUに対する免疫染色では、これらの投与により陽性率が増加したため、細胞周期を促進させ肝再生の一端を担っている事は確認できたが、急性肝障害モデルマウスに対して投与を行った場合での有意な生存率改善効果は認められなかった。また肝障害の刺激を与えた直後にE2を投与した群では、逆に生存率が低下するといった、当初の予想と異なる結果が得られた。そこでこれらの実験系において肝障害後のE2の投与時期を変えて再度検討を行なったところ、投与時期の違いにより生存率が異なる事を見いだした。そのためそれぞれの投与時期における細胞周期関連分子、ならびにapoptosisに関与する遺伝子の発現の違いが生存率の違いに結びついている可能性を考え、Western blotにて蛋白の発現解析を行なった。その結果、E2の投与時期の違いにより細胞周期関連蛋白の発現パターンが異なること、またapoptosisの頻度も異なることを確認し、障害肝における再生において、これらの分子が重要な働きをしていることが確認出来た。今後はそれぞれの時期での関連分子の発現解析ならびにDNAマイクロアレイによる網羅的解析により、再生に関与する責任分子の同定ならびにp27の上流のシグナルを担う分子の同定を行なうための研究を行う予定である。
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