2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢・性差を視点にしたインターフェロンの中枢神経系の機能・形態に及ぼす影響
Project/Area Number |
21590857
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 一幸 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00137499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 圭 岩手医科大学, 医学部, 助教 (40405816)
滝川 康裕 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50254751)
宮坂 昭生 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80382597)
王 挺 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70416171)
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Keywords | 肝炎ウイルス / インターフェロン / シグナル伝達 / 細胞・組織 / 薬物反応 |
Research Abstract |
1.臨床的検討 (1)PEG-IFN/Ribavirin治療を行ったC型慢性肝炎67例について精神症状(不眠、気分低下、抑うつ状態)発現の有無を確認し、症状発現群と非発現群について臨床的は死刑を比較検討したところ、性差のみに有意差を認めた。すなわち、男性では女性に比し有意に症状発現頻度が高い結果を得た。 (2)PEG-IFN/Ribavirin治療を48週間行ったC型慢性肝炎36例を対象に、ウイルス消失に寄与する因子を統計学的に検討し、治療48時間目のウイルス減少量(2log以上)が独立した一因子であることを明らかにした。 (3)PEG-IFN/Ribavirin治療を行ったC型慢性肝疾患(肝硬変も含む)14例のうち治療を終了した7例について投与前、投与8週後、治療終了後に脳内ブドウ糖取り込み率を測定した。7例中5例で投与前に比し8週目に約10~15%減少し、治療後に前値に復すまたは増加傾向を示した。また、うつスコアは投与8週後に悪化し治療終了後に投与前値に復したが、脳内ブドウ糖取り込み率との相関関係は明らかでなかった。 2.基礎的検討 (1)ヒト神経細胞(astrocyte)を用いてIFN-α(α2a,α2b),IFN-βの細胞増殖に及ぼす影響を検討し、α製剤ではいずれも細胞抑制を示すことを確認した。 (2)ブドウ糖の取り込みに関与するGlucose transporter Glut-1の発現を検討すると、同様にα製剤で発現低下を認め、β製剤では影響を認めなかった。シグナル伝達ではIFNによるJNKのリン酸化の亢進およびIFN-α(α2a,α2b)製剤によるGSK-3βとmTORのリン酸化がβ製剤に比し強いことを確認した(論文投稿中)。 (3)ラットにPEG-IFNを投与し、行動量を測定し、脳内サイトカインおよび組織変化を観察中である。
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Research Products
(2 results)