2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590861
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 教授 (70197226)
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Keywords | 胆汁酸 / 胆汁うっ滞 / トランスポーター / 胆汁流量 |
Research Abstract |
4-Phenylbutyrate (4PB)は化学シャペロンの1つで、毛細胆管膜のBsep (bile salt export pump)の発現を増加させることが報告され、これはBsepのプロテアソームでの分解抑制に基づくものと考えられている。4PBは胆汁うっ滞を抑制する作用があると考えられることから、lypopolysaccharide (LPS)によるラット胆汁うっ滞で、4PBの効果を検討した。雄性Sprague-Dawley系ラット(体重250g)に、4PB 1,200mg/kgを2回/日で4日間経口投与した。LPS 2.5mg/100g体重を静脈内投与18時間後に、麻酔下に開腹し胆管カニュレーションを行い、30分後に大腿静脈より[14C]TCを1.0μmol/min/100gで60分間持続投与した。胆汁を10分おきに採取し放射活性を測定し、胆汁中最大排泄量を検討した。TCの最大排泄量はLPS投与により、対照の0.94±0.25μmol/分/100gから0.35±0.21μmol/分/100gに低下したが、4PB投与により0.84±0.23μmol/分/100gまで回復した。また投与60分後の胆汁流量は、対照の10.7±2.3μl/min/100gからLPS投与により2.8±2.0μl/分/100gに低下したが、4PB投与により9.0±3.0μl/分/100gまで回復した。LPSによる胆汁うっ滞では、Bsepの毛細胆管膜での発現低下が知られており、TCの胆汁中排泄の低下はこれに基づくものと考えられる。4PBはBsepの毛細胆管膜での発現増加により、LPSにより低下したTCの胆汁中排泄を増加させたと推定された。
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