2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590865
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐田 通夫 久留米大学, 医学部, 教授 (10162398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 巧 久留米大学, 医学部, 講師 (00320177)
谷口 英太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (50341318)
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Keywords | 酸化型アルブミン / 還元型アルブミン / 肝細胞癌 / グリチルリチン酸製剤 / 酸化ストレス / システイン |
Research Abstract |
酸化ストレスは肝発癌に対し促進的に作用することから、強力な抗酸化物質である還元型アルブミンは肝発癌に抑制的に働くと考えられる。昨年度、我々は、ヒト酸化型アルブミンにシステインを添加することで、還元型/酸化型アルブミン比が上昇することを明らかにした。今年度は、アルブミン製剤還元化の臨床応用を目標に、システインを含有するグリチルリチン酸製剤のヒト酸化アルブミンに対する還元能を評価した。4つの異なるアルブミン製剤(62.5mg)に対し、グリチルリチン酸製剤(200μL)を添加した。15分間の反応後、すべてのアルブミン製剤において還元型アルブミンの割合は有意に増加した(製剤A27.7±0.2%vs78.7±0.4%,製剤B39.6±0.8%vs83.6±0.3%,製剤C40.2±0.5%vs80.5±0.3%,製剤D35.7±1.0%vs71.4±0.3%,P<0.01)。アルブミン還元化の経時的変化を検討したところ、還元型アルブミンの割合は添加後15分をピークに上昇し、その後は徐々に減少した(前27.7±0.2%;10分73.7±0.3%;15分78.7±0.4%;60分73.8±0.4%;480分37.6±0.2%)。また、グリチルリチン酸の容量とアルブミン還元化の関連を検討したところ、グリチルリチン酸200μL群は、50μL群および100μL群と比較し、還元型アルブミンの割合が高値であった(反応時間15分,50μL群60.8±0.1%;100μL群69.9±0.1%;200μL群78.7±0.4%)。本研究により、グリチルリチン酸製剤は、ヒト酸化アルブミンを短時間で容量依存性に還元することが明らかとなった。本手法は、簡易にヒトアルブミンを還元化しうることから臨床応用が可能と考えられた。
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Research Products
(3 results)