2009 Fiscal Year Annual Research Report
進行膵癌の幹細胞ならびにEMT化癌細胞を特異的に老化誘導させる治療法の開発
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21590870
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 賢一 Tohoku University, 病院, 講師 (10282055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 晋 東北大学, 病院, 医員 (20451560)
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Keywords | 膵癌 / マイクロRNA / EMT |
Research Abstract |
癌幹細胞としての性質はEMTによってもたらされる可能性があること、つまり、EMTが誘導されている細胞は癌幹細胞と同義と考えられること、膵癌ではras遺伝子の活性化によって誘導される細胞老化誘導シグナルが抑制されている可能性があるという事実に着目し、以下のことを計画した。1)膵癌のEMTを特異的に誘導する分子やそれを制御するmicroRNA(miRNA)を同定する、2)膵癌化において抑制されている細胞老化誘導シグナル機構を解明する、3)最終的に膵癌幹細胞特異的に細胞老化を誘導する治療法を開発する。 本年度は、EMTを制御するmiRNAを同定するために、膵管内乳頭粘液腫瘍と膵癌組織の組織標本より腫瘍部のみをマイクロダイゼクションにて削りだし、miRNA arrayを行った。その結果膵癌で特異的に発現低下の認められるmiRNAとしてmiR145を同定した。 膵癌組織を用いたReal-time PCRにても、miR145は癌部において非癌部に比べ発現が低下していた。また、我々がEMT関連遺伝子として同定したMSX2を膵癌細胞株BXPC3に強制発現させ、それにより生じるmiRNA発現プロファイルの変化をmiRNA arrayにて検討した。その結果、本実験系において、miR363が、EMT誘導に伴って低下することが確認された。
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