2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌組織中に存在する骨髄由来細胞の網羅的発現解析とそれを標的とする治療法の開発
Project/Area Number |
21590871
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣田 衛久 Tohoku University, 病院, 助教 (70400364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 賢一 東北大学, 病院, 講師 (10282055)
濱田 晋 東北大学, 病院, 医員 (20451560)
菅野 敦 東北大学, 病院, 助教 (70509190)
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Keywords | 膵癌 / 骨髄由来幹細包 / 慢性膵炎 / グリーンマウス |
Research Abstract |
初年度である平成21年度の研究目標は、以後の研究の基礎を作り上げる事である。それらは、グリーンマウスの骨髄を放射線照射したC57BL6マウスに移植する手技、マウスの膵臓に化学発癌物質DMBAを注入しマウス膵癌モデルを作製する手技を確立する事。その上に、これらを用いて膵発癌進展機序への骨髄由来細胞の関与を明らかにすることである。同時に、セルレインを週5日間、8週間連続で投与する事による慢性膵炎モデル作製も平行して行い、組織学的には膵に慢性的な炎症所見を呈するモデルを作製することに成功した。 生後7週のグリーンマウスの骨髄細胞10,000,000個を抽出し、7Grayの放射線を照射した生後8週のC57BL6マウスに尾静注することにより移植した。FACS解析で骨髄が99%置換されたキメラマウスが作製されたことを確認した。このマウスの膵尾部にDMBAを1mg注入すると、注入から3ヶ月後には脾臓等周囲の臓器に浸潤する膵腫瘍の形成を認めた。この腫瘍を組織学的に検討すると、腫瘍細胞は紡錘形の肉腫様変化をした低分化な癌で、癌細胞を取巻く線維化を認めた。さらに癌病巣の周囲に過形成や異型腺管といった前癌病変も認めた。癌組織を免疫組織学的に検討したところ、癌組織中の細胞の半数がGFP陽性の骨髄由来細胞であった。これらの細胞はCK19陰性、αSMA陰性、vimentin陰性であったが、一部にCD31あるいはCD68陽性細胞を認めた。 平成21年度は今後の実験の基礎を作り上げた。
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