2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵導管上皮のカルシウム吸収機構-新しい膵石予防法の研究-
Project/Area Number |
21590873
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 洋 Nagoya University, 総合保健体育科学センター, 准教授 (90303651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教 (60402385)
近藤 孝晴 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (20135388)
洪 繁 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90402578)
長尾 静子 藤田保健衛生大学, 疾患モデル教育研究センター, 准教授 (20183527)
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Keywords | 膵石 / Ca^<2+>チャネル / 膵導管細胞 / 膵液 / 単離小葉間膵管 / Panc-1細胞 |
Research Abstract |
膵液は、高濃度(100~150mM)の重炭酸イオン(HCO_3^<->)を含むため、炭酸イオン(CO_3^<2->)も0.03~1mMの濃度で存在すると推定される。CO_3^<2->は、腺房細胞から分泌されるmMレベルのCa^<2+>と結合し、不溶性のCaCO_3となる。膵導管細胞は、膵液中のCa^<2+>を吸収することにより、膵石の形成を抑制していると推定される。本研究では、膵導管細胞のCa^<2+>輸送およびCa^<2+>輸送体の発現を検討した。SD系雄性ラットから膵を摘出し、径100~150μmの小葉間膵管を単離した。併せて、ヒト膵管癌由来の培養細胞Panc-1を用いた検討も行った。ラット単離膵管とPanc-1細胞には、Ca^<2+>チャネルであるTRPV5、TRPV6、TRPP2、plasma membrane Ca^<2+>-ATPase(PMCA1b)、Na^<+>-Ca^<2+>交換体であるNCX1、Ca^<2+>結合タンパクであるCBD9kのmRNA発現が認められた。単離膵管にFura-2を負荷し、管腔と表層を別個に灌流した状態(microperfusion)で、細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)を測定した。単離膵管の表層と管腔をCa^<2+>を含まない溶液で灌流を開始した。管腔灌流液にCa^<2+>を加えると、表層からCa^<2+>を加えた場合に比べて、より大きい[Ca^<2+>]_iの増加が見られた。膵導管細胞の管腔膜上のCa^<2+>チャネルは、膵液からのCa^<2+>吸収を担っている可能性がある。
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Research Products
(4 results)