2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール性膵炎発症における自然免疫の関与と喫煙の影響の解明
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21590878
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| Research Institution | Kansai Medical University |
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Principal Investigator |
西尾 彰功 関西医科大学, 医学部, 准教授 (50362463)
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| Keywords | 慢性膵炎 / アルコール / エンドトキシン / 自然免疫 / toll-like receptor |
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| Research Abstract |
慢性膵炎は膵組織の破壊・脱落が非可逆性に進行する疾患で、アルコール性膵炎が過半数を占める。アルコールよる膵炎発症機序について、これまでさまざまな仮説が提唱されており、近年飲酒によるエンドトキシン血症がアルコール性膵炎の引き金となる可能性が指摘されている。本研究ではマウスにエタノール/LPSを投与してヒトの病態に類似した膵炎動物実験モデルを作成し、膵炎発症に及ぼす自然免疫系と獲得免疫の役割について検討した。膵炎発症マウスの膵組織の免疫組織学的検討では膵腺房間質を含めて全体にGr-1陽性好中球浸潤が著明で、膵管周囲を中心にCD4T細胞、CD8T細胞、B220陽性B細胞の浸潤も認められた。つぎに、膵炎発症における自然免疫の関与を検討するために、SCIDマウスにエタノール/LPS投与を行ったが膵炎の発症は認められなかった。さらに、SCIDマウスに正常マウス脾臓細胞、CD4T細胞分画、CD8T細胞分画を各々移入後、エタノール/LPS投与を行い膵炎の発症における獲得免疫の関与について検討した。正常マウス脾臓細胞を移入したSCIDマウスで膵炎発症の程度が最も強く、CD4T細胞移入マウスでは脾臓細胞移入マウスに比べ膵炎の程度は軽度であった。CD8T細胞移入マウスでは膵炎の発症が認められなかった。以上の結果より、本膵炎モデルマウスにおいて膵炎発症には自然免疫系のみならず獲得免疫系の存在が必須であることが明らかとなった。さらに、膵炎発症にはCD4T細胞が関与し、CD8T細胞は膵炎増悪に関与していると考えられた。
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