2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック蛋白と酸化的DNA塩基損傷修復による心血管リモデリング抑制の研究
Project/Area Number |
21590883
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
長谷部 直幸 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (30192272)
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Keywords | 血管リモデリング / 塩基除去修復 / AP endonuclease / 血管傷害モデル / 酸化ストレス / HSP72 / 温熱刺激 / 血管炎症 |
Research Abstract |
培養ラット大動脈中膜平滑筋細胞(mSMC)を用い、基準状態および酸化ストレス亢進状態(H_2O_2添加)における酸化的DNA塩基損傷修復活性を、塩基除去修復(base excision repair : BER)機構の主要酵素であるAP endonuclease(Ape1/ref1)の発現状態から検討し、同機構の活性亢進を確認した。また同細胞において温熱刺激(41℃)がHSP72の発現亢進をもたらし、活性酸素の消去作用を発揮することを明らかにした。次に、分離ヒト白血球よりRNAを抽出しNestPCRにより新たにApe1DNAを精製し、平行して作成したプラスミドを用い,リポフェクタミン法でT293cellにtransfectionし、導入を確認した。さらにpcDNA/Ape1、pcDNA/LacZのadenovirusへの組み込みに成功し,傷害血管局所にApe1を過剰発現させることを可能にした。同時に行なったマウスワイヤー傷害血管モデルの解析では,非障害血管に比し、ワイヤー傷害血管局所においてApe1 geneの著明な発現亢進が確認され,血管傷害・血管リモデリングの過程が、Ape1によって、軽減される可能性が明らかになった。これらの成績は,BER機構の調節による抗酸化修復機序が,新たな生体防御機構として抗動脈硬化作用を発揮するう可能性を示すものであり、次年度以降、さらにこの機序の詳細を明らかにすると同時に、HSPとの相互連関を解明する予定である。
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