2009 Fiscal Year Annual Research Report
アシアロエリスロポエチンを用いた心血管系再生医療の前臨床基盤研究
Project/Area Number |
21590887
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鳥羽 健 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (60313540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 晴雄 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40282983)
小澤 拓也 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (70467075)
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Keywords | 循環器病態学 / 再生医療 / エリスロポエチン / アシアロエリスロポエチン / トランスレーショナル研究 / 新薬開発 |
Research Abstract |
【目的】心血管再生医療に関するトランスレーショナル研究には、今まで一定の限界があった。生体内における血管新生および心筋の生存には、エリスロポエチン(EPO)のアシアロ体であるアシアロEPO(AEPO)が生理的に重要な働きをしている。AEPOの作用機序を明らかにすることで、心血管再生医療の前臨床的な基盤研究を行う。 【方法と結果】(1)Wister ratにモノクロタリン誘発による肺血管障害・肺高血圧モデルを作成し、各種EPO誘導体投与により治療した。EPO投与により肺血管内皮障害が抑制され右心機能が改善したが、AEPOやCEPO(カルバミルEPO)投与は無効であった。AEPOは速やかに肝臓で代謝され血中濃度が上昇しないことが影響した。CEPOは血中濃度が上昇したが無効であった。肺血管組織での分子生物学的解析も同様の結果を示した。このことから、血管内皮には造血系と同様にEPOホモ受容体(EPOR/EPOR)が発現していることが分かる。(2)White mouse(ICR)およびBlack mouse(C57/BL)で下肢虚血モデルを作成し、各種EPO誘導体投与により治療した。血管新生作用はAEPO>>EPO=CEPOであり、またこれと同じ力価で虚血肢局所にIL-6が誘導されていた。CEPOにEPO同等の血管新生作用があることから、この作用はEPOヘテロ受容体(EPOR/βc)を介した作用であることが分かる。ヒト線維芽細胞上にヒト臍帯静脈血管内皮細胞を播種し、体外での血管新生を再現した。EPOおよびAEPOは同等の血管新生作用を有し、この作用は抗IL-6抗体の添加によって一部阻害された。このことから、EPOの血管新生作用の少なくとも一部はEPOヘテロ受容体を介したIL-6分泌による間接作用であることが示された。また、Heparin-agarose gelを用いてヘパリン親和性の検討を行ったところ、ヘパリン親和性の強度は:VEGF>AEPO>>EPO=0であった。AEPOには強力な組織親和性があることがわかった。【展望】今後さらに心筋保護作用、中枢神経保護作用などの検討を加える予定である。
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[Presentation] 急性心筋梗塞に対するエリスロポエチン投与による心機能改善効果2009
Author(s)
小澤拓也,鳥羽健,加藤公則,柳川貴央,高山亜美,相澤義房,鈴木洋,磯良崇,小林直彦,横山慎一郎,福田昇
Organizer
第57回日本心臓病学会学術集会
Place of Presentation
ロイトン札幌
Year and Date
2009-09-19
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