2010 Fiscal Year Annual Research Report
重症下肢虚血患者に対する体外増幅赤芽球移植による血管新生治療の有効性の検討
Project/Area Number |
21590888
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小澤 拓也 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (70467075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 健 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60313540)
塙 晴雄 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40282983)
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Keywords | 臨床心血管病態学 / 血管再生 / 赤芽球 / 細胞療法 / 体外増幅 |
Research Abstract |
【目的】平成19年より重症下肢虚血患者に対し体外増幅自己赤芽球移植による血管新生治療(Ex-Vivo Expanded Erythroblast Transplantation(Autologous)(EVEETA study)の第I/II相臨床試験を開始した(ISRCTN-66803682)。本治療法の有効性を確立すべく、さらに症例数を蓄積し、慢性期予後について検討した。【方法と結果】臨床試験計画書に基づき、当該試験の適応を判断し、入院加療を行った。患者の人権や安全性に十分配慮し、説明と同意の後に試験への参加を許可した。平成22年度はさらに2例が新規にエントリーし、これまでに合計9例の重症虚血肢症例を登録した。患者腸骨より局所麻酔下に採取した少量の骨髄細胞を当院設置のGMPグレード細胞プロセッシング室に搬入し、rhFlt-3L・rhSCF・rhTPOの存在下で7日間培養し、その後rhEPO・rhSCF・rhIGF-1の存在下で7日間の培養を行う2段階培養法にてヘモグロビン合成前の未熟赤芽球とマクロファージの混合細胞浮遊液を得た。増幅された大量の培養細胞を十分に洗浄したのち、50ccの血小板濃厚液に浮遊させ、虚血肢局所への移植を行った。慢性期まで追跡しえた7症例では平均採取骨髄量69mLで、移植後の治療効果は慢性期まで維持された。いずれの症例においても明らかな有害事象はみられなかった。【展望】今後はこれまでの良好な結果をふまえ、さらに症例数を蓄積し、本治療法の中・長期予後についても詳細に検討する。
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Research Products
(3 results)