2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨床・基礎融合研究により動脈硬化不安定粥腫ないしその破綻の新規診断法の開発
Project/Area Number |
21590895
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
志手 淳也 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (40362793)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 智也 神戸大学, 医学研究科, 助教 (90437468)
|
Keywords | 急性冠症候群 / 動脈硬化 / 不安定粥腫 / 光干渉断層映像法 / 冠動脈ステント / 抗炎症免疫療法 / 基礎と臨床の融合研究 |
Research Abstract |
急性冠症候群の原因となる動脈硬化不安定粥腫の診断法と治療法の開発に関連して、臨床研究と基礎研究を融合させて、多角的に病態にせまる研究を進めてきた。臨床研究においては、光干渉断層映像法(OCT)を用いての冠動脈ステントの経時的観察や、臨床上大きな問題となっているステント関連の血栓に関した研究、そして動脈硬化プラークの薬剤使用による安定化などの研究を行い、学会や論文に報告した。基礎研究では、抗炎症免疫療法の成果をマウス動脈硬化モデルにおいて証明し、新規治療法の開発研究を行い、臨床に応用できる可能性のある方法論を発展させて論文に報告した。最終年度は、これらの独立した研究を、融合させることで、将来臨床で使用できる新たな診断法や治療法の開発につながる研究を進めた。具体的には、ある薬剤の動脈硬化の退縮機序を基礎研究にて解明し、さらに同薬剤の臨床研究においての成果も得ている。これらの融合研究によって臨床での薬剤の効果の機序まで、明らかにできたことは意義が大きい。 粥腫破綻検出のためのバイオマーカーの検索に関しては、いくつかの候補を臨床サンプルで測定し、データベースを作成したが、質量分析の段階での特定に時間がかかった。また、臨床検体を用いた網羅的解析研究の問題点(あまりに候補が多すぎて、重要な因子の絞り込みに限界があり、どれに注目すべきかの判断に迷うなど)も見えてきた。現状では、実際のマーカーとして有用な物質を特定するまでには至っていない。
|
Research Products
(16 results)