2010 Fiscal Year Annual Research Report
グルタチオン化蛋白を用いた新規酸化ストレスマーカーの開発とその有用性の検討
Project/Area Number |
21590902
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 聡司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10336159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前村 浩二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90282649)
浦田 芳重 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30185087)
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Keywords | 酸化ストレス / 動脈硬化 / グルタチオン / アポ蛋白B |
Research Abstract |
本研究の目的は、心血管病の発症・進展に深く関与する酸化ストレスの臨床的に有用な新規のマーカーを開発することである。そこで我々は酸化ストレスの源である活性酸素種による蛋白のチオール基の酸化的修飾であるグルタチオン化に注目し、特に動脈硬化の促進因千であるLow-density lipoprotein(LDL)を構成するアポ蛋白Bのグルタチオン化を検討している。 現在、グルタチオン化アポ蛋白Bに対する抗体を作製し、臨床の場において、動脈硬化の危険因子を有する患者の検体を収集し解析している。この抗体を用いた結果と関連すると推測されるLDLの陰性荷電度も測定し、まずこの陰性荷電LDLの臨床的意義を動脈硬化の危険因子との関連にて各学会等で報告してきた。すなわち、陰性荷電LDLは血圧、脂質異常や糖尿病の患者において増加し、しかも比較的最近の酸化ストレス状態(検査時の状態)を反映することが分かった。現在、この結果を論文として投稿中である。 グルタチオン化アポ蛋白Bの抗体を用いた実験に関しては、in vitroの系にて、この抗体がアポ蛋白B100のグルタチオン化を反映していることを確認した。さらに、動脈硬化巣においてグルタチオン化アポ蛋白Bが発現しているかを、ヒト頸動脈から摘出された組織を用い、免疫染色で検討している。上記のように、患者の血清にてもその発現の程度を検討しているところであるが、陰性荷電度の高いL肌と弱くはあるが有意な相関を認めている。この結果を昨年のアメリカ心臓病学会、本年の日本循環器学会総会(演題採択、学会中止)で報告した。
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Research Products
(4 results)