2012 Fiscal Year Annual Research Report
グルタチオン化蛋白を用いた新規酸化ストレスマーカーの開発とその有用性の検討
Project/Area Number |
21590902
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 聡司 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10336159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦田 芳重 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30185087)
前村 浩二 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90282649)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 動脈硬化 / グルタチオン / アポ蛋白B |
Research Abstract |
本研究の目的は、心血管病の発症・進展に深く関与する酸化ストレスの臨床的に有用な新規のマーカーを開発することである。そこで、我々は酸化ストレスの源である活性酸素種による蛋白のチオール基の酸化的修飾であるグルタチオン化に注目し、特に動脈硬化の促進因子であるLow-density lipoprotein (LDL)を構成するアポ蛋白Bのグルタチオン化を検討してきた。 一昨年度までに、①グルタチオン化アポ蛋白B100に対する抗体を作成し、その特異性を確認したこと、②陰性荷電度に応じて分離した血漿中のLDL分画は、血圧、コレステロール値や8-イソプロスタン(酸化ストレスの指標)などと相関し、しかも検体採取時のデータで診断した高血圧、脂質異常症や糖尿病などの動脈硬化の危険因子数と関連していたこと、③血清中のグルタチオン化アポ蛋白B100レベルは、陰性荷電LDL分画と弱いながらも有意な相関を認めたこと、を報告してきた。これらの結果より、グルタチオン化アポ蛋白B100は、検体採取時の酸化ストレスを反映する血清中の指標となることが示唆された。 昨年度は、頸動脈内膜剥離術を施行された患者の頸動脈の動脈硬化巣を用いて、グルタチオン化アポ蛋白B100抗体にて免疫染色を行った。グルタチオン化アポ蛋白B100は、一部、動脈硬化巣の泡沫細胞(マクロファージ)と共局在していたが、その主たる部位は動脈硬化巣の部位よりも比較的、血管内腔側に局在していた。このことから、グルタチオン化したアポ蛋白B100は、まだLDLが酸化修飾をうけ泡沫化される前の比較的早期の動脈硬化を反映しているものと推測された。現在、さらに、この局在を明らかにするために免疫染色を行っている。 以上の結果をもとに、今後、このグルタチオン化アポ蛋白B100の臨床的有用性をさらに検討し、最終的には論文化し、報告したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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