2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590904
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山部 浩茂 Kumamoto University, 医学部附属病院, 特任教授 (20419641)
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Keywords | 心房性頻拍 / 房室弁輪 / リエントリー |
Research Abstract |
房室弁輪部起源の心房頻拍の1つである、房室結節近傍起源の心房性頻拍は、頻拍中の最早期心房興奮部位が、正常の房室結節を介する室房伝導時の心房興奮パターンと異なることから、房室結節近傍起源の心房性頻拍の回路形成に正常の房室結節は関与していないことが示唆されていたが、頻拍の機序及び回路の詳細は明らかにされていない。そこで、房室結節近傍起源の心房性頻拍に正常の房室結節が関与しているかどうかを明らかにするために、Ensite3000マッピング装置を用いて頻拍の最早期興奮部位を同定した後、頻拍中に、Koch三角部の房室結節を含む右心房中隔部10点において、心房単発期外刺激を加え、各点でその刺激によるresetting responseを解析し、頻拍がどの範囲の心房組織を回路内に含むかを検討した。さらに頻拍がリエントリーによるものであるかどうかを明らかにするため、心房内多点より、頻拍中に頻拍周期より短い周期で心房頻回刺激を加え頻拍中の最早期心房興奮がorthodromicにcaptureされる、manifest entrainment現象が認められるかどうか検討した。その結果、本頻拍は、リエントリーによることが証明された。また、頻拍回路には房室結節を含むKoch三角部の心房組織は頻拍の回路に含まれていないことを明らかにした。manifest entrainment現象は高位右房からの刺激で認められたことから、リエントリー回路のCaチャネル感受性を持つ必須暖徐伝導路は、房室結節近傍の、Koch三角部外の組織により形成されていることが示された。
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