2009 Fiscal Year Annual Research Report
不安定プラークの評価と病理組織所見との対比とプラーク安定化の機序解明
Project/Area Number |
21590913
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平山 篤志 Nihon University, 医学部, 教授 (50459880)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 忠輝 日本大学, 医学部, 助教 (10366601)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
三俣 昌子 日本大学, 医学部, 教授 (40064589)
|
Keywords | IVUS / angioscope / OCT |
Research Abstract |
ウサギの大動脈を用いてプラークの退縮過程を観察するために、日本白色家兎に対し0.5%・1.0%コレステロール負荷食を投与し、1か月・3か月・6か月投与した時点で腕頭動脈と総頸動脈と右鎖骨下動脈に対し、血管内イメージング血管内超音波・血管内視鏡・Optical Coherence Tomography(OCT)のマルチモダリティーを用いて観察し、プラークの位置を同定した。 麻酔下のウサギを還流にて脱血し安楽死させホルムアルデヒドで固定したのちに同部位をパラフィン切片から病理標本を作成、さらに一般染色や免疫染色を行い、血管内イメージングデバイスにおける画像と比較して検討することで、経時的なプラークの増生を観察した。 IVUSでは繊維成分に富んだプラークであり、血管内視鏡では白色プラークであり、OCTでは厚い線維性の内膜肥厚を認めた。 また24ヶ月齢のWHHL-MIウサギに対しても同様に腕頭動脈、総頸動脈と鎖骨下動脈に対し血管内イメージングデバイスによる観察を行った。WHHLMIウサギはコレステロール負荷を行った日本白色家兎と比較し線維性被膜が薄く、粥腫が脂質に富んでいることが血管内超音波とOptical Coherence Tomography(OCT)で観察された。 病理所見に於いて同様の所見と、マクロファージの存在が確認された。すなわち実験動物に於いて、ヒトの粥状硬化病変に類似した病変を観察することができた。 イメージングデバイスではヒトと同様に粥腫に脂質成分が富んでいる点でヒトと類似している一方で、ヒトのような石灰化を伴うような複雑な病変ではなく、均一な構造をしており、比較的線維性被膜は厚く、黄色プラークは認められなかった。 またこれらのマルチモダリティーを用いた血管内イメージングデバイスによる観察実験を同一の個体に対して複数回行うことが可能である。 そのため薬剤の効果や影響の前後の血管の変化を観察できる。 すなわち動物実験モデルに於いて任意のプラークを経時的に観察し、プラークの増生、退縮を経時的に観察できる可能性が示唆された。
|