2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しく確立したヒトキマーゼ測定法の臨床応用:急性冠動脈症候群と危険因子の分析
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21590916
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
浦田 秀則 福岡大学, 医学部, 教授 (30289524)
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Keywords | レニン・アンジオテンシン系 / キマーゼ / アンジオテンシン変換酵素 / カテプシンG / 心血管病 / 慢性腎障害 / 急性冠動脈症候群 / キマーゼ阻害薬 |
Research Abstract |
本研究の目的はI)新たに確立した循環血単核球中のキマーゼを含むアンジオテンシンII(A II)産生酵素活性測定を外来および入院患者で行うこと。II)急性期および慢性期心血管疾患で上記測定結果を経時的に分析し、病態変化や治療経過に伴う循環血単核球中A II産生酵素活性変化を分析すること。III)臨床データとの関連性を明らかにし、どのような病態で単核球中A II産生酵素が活性化されているかを同定し、現在使用されている循環器領域の薬物療法(特にレニン・アンジオテンシン系阻害薬)の使用時期・使用用量などの適切性などを検討することである。 平成22年度には、急性冠動脈症候群(ACS)に焦点を当てて分析し、福岡大学筑紫病院へ救急搬送されたACS患者からデータ収集し、ACS急性期(I-3日目)に単核球中A II産生酵素活性特にキマーゼ活性が有意に増加し、梗塞範囲の重症度(CK値)と正相関して増加することを明らかにした。また、心房細動患者の心エコーにて測定された左心房径も単核球中A II産生酵素活性と正相関することを見出し学会報告した(Okamura et al.2009, 2010)。一方、慢性期病態(生活習慣病やCKD)のうち高血圧・インスリン抵抗性・慢性腎障害・軽度CRP増加・高尿酸血症患者などでは、単核球中A II産生酵素活性が増加することを単相関分析で見出した。重回帰分析の結果では、男性・慢性炎症病態(WBC増加・CRP増加)・慢性腎障害などが循環単核球中キマーゼ活性に独立して関連する因子であることも明らかになり、学会報告した(Okamura et al.2008, 2009, 2010)。研究計画に沿ったデータは得られているので今年度中に論文化する予定である。
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Research Products
(12 results)