2009 Fiscal Year Annual Research Report
機械的負荷および自律神経活動が心不全心の不整脈易発生基盤に及ぼす影響の解明
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21590920
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
稲垣 正司 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 室長 (80359273)
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Keywords | 臨床心血管病態学 / 不整脈 / 電気生理学 |
Research Abstract |
本研究では、自律神経活動および機械的負荷の変化が不全心の電気生理学的特性におよぼす時空間的影響を光学的心筋活動電位マッピング法を用いて詳細に検討し、コンピュータ・シミュレーションによる理論的解析を加えることによって、慢性心不全患者における致死性不整脈の易発生基盤を解明することを目的としている。本年度は、正常心蔵を対象として自律神経刺激および機械的負荷が心臓の電気生理学的特性におよぼす急性効果について検討を行なった。正常心の自律神経つきランゲンドルフ潅流心標本を作成し、交感神経および迷走神経を刺激しながら心表面電位の光学的活動電位マッピングを行った。交感神経刺激は活動電位持続時間は短縮させ、その空間的不均一性も小さくした。迷走神経刺激は交感神経刺激を同時に行なっている場合に活動電位持続時間を延長させた。正常心臓においては自律神経刺激による電気的不安定化は小さいと考えられた。正常心の動脈潅流右室組織標本において、リニアモータを用いて伸展刺激を加えた。また、ランゲンドルフ潅流心標本において、心室に挿入したバルーンを拡張させて機械的負荷を与えた。小さな伸展(5%)を加えた際には僅かに脱分極したが活動電位は発生しなかった。中等度の伸展(>10%)では局所からの興奮が誘発され、さらに大きな伸展(20%<)では組織の広域からの興奮誘発が観察された。心筋壁厚と伸展時の局所歪を計測し、興奮発生部位との関連を検討した。心筋壁厚と伸展時の局所歪の間には相関を認め、伸展刺激時の興奮発生は局所歪の大きな部位から起こっていった。機械的伸展負荷によって壁厚の薄い部位において大きな歪が生じ興奮が発生することが明らかになった。これは心臓震盪(胸部打撲による突然死)が中等強度の胸部打撲時に発生することと関連しており、心臓震盪の発生機序解明につながる結果と考えられた。
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Research Products
(7 results)