2011 Fiscal Year Annual Research Report
HMGB1の心筋梗塞縮小効果の検討:新しい血管新生治療の開発
Project/Area Number |
21590923
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
久保田 功 山形大学, 医学部, 教授 (30161673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 講師 (40359568)
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Keywords | HMGB-1 / 心筋虚血 / 心肥大 |
Research Abstract |
核内転写調節因子であるHMGB1は細胞外へ分泌され、細胞の遊走と増殖、損傷組織の修復など様々な働きを有している。我々は心筋特異的にHMGB1遺伝子を発現したトランスジェニックマウスを作成し、HMGB1が心筋梗塞を縮小することを報告した。 本研究ではさらに、HMGB1の機能を明らかにするために、圧負荷心不全モデルの解析も行っている。野生型マウスおよびHMGB1心臓特異的過剰発現トランスジェニックマウスに対し大動脈縮窄手術による圧負荷心不全モデルマウスを作成したところ、HMGB1トランスジェニックマウスでは有意に心肥大が抑制された。心体重比および肺体重比がトランスジェニックマウスで有意に抑制された。心エコーによる左室機能もトランスジェニックマウスで有意に改善を認めた。心肥大マーカーであるANP、BNPはトランスジェニックマウスで低値であった。また心臓の線維化を表すconnective tissue growth factor(CTGF)およびcollgen type IIIの発現もTGで有意に抑制されていた。野生型マウスでは圧負荷により心筋の核内HMGB1が減少し、細胞質内に移動していた。しかしHMGB1の細胞外への放出は認めなかった。心臓特異的HMGB1過剰発現マウスでは、圧負荷を行っても核内のHMGBlは保たれており、DNA障害やhistone deacetylase(HDAC)活性化およびHDAC2の発現が有意に抑制されていた。ラット心筋にHMGB1を過剰発現させるとエンドセリン刺激によるANP、BNPの発現は有意に抑制された。 核内HMGB1はHDACの活性化とDNA障害を抑制し、心肥大を抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)