2011 Fiscal Year Annual Research Report
心筋転写因子HOPの会合分子発見同定と心不全の分子機構解明
Project/Area Number |
21590925
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 啓行 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60323573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 良三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
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Keywords | 心不全 / 拡張型心筋症 / 転写因子 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
HOP(Homeodomain-Only Protein)は小分子心筋転写制御因子であるが、その作用機序の詳細は不明である。研究者は拡張型心筋症早発家系においてHOP遺伝子変異を発見、さらにそのヒト変異を導入した変異型HOP過剰発現マウスを作製し拡張型心筋症・重症心不全の発症を確認した。これをふまえ、本研究ではHOPの生理作用およびHOP変異が心不全を惹起する機序の解明を目的に研究を遂行した。具体的には、HOPに会合する分子Xを発見同定、HOPの動態と作用機序を解明、さらに一連の心筋細胞転写制御メカニズムを知り、HOPを軸にした新しい心不全治療への糸口をつかむべく研究を遂行した。 平成23年度には、酵母two-hybrid法によるHOP会合分子同定実験を継続し、数種類の物質をHOPタンパクと会合する候補分子として同定した。前年度までに10-15種類の候補分子を同定しており、合計すると約20種類の候補分子を同定したことになる。なかでも心臓の発生や収縮弛緩、カルシウム代謝、シグナル伝達に関与する物質を対象に、免疫沈降-ウェスタンブロッテイング法を用いてHOPとの直接結合確認をおこなった。うち一種類の物質に関しては免疫沈降法での直接結合が確認された。しかしながら、この物質は正常型HOPタンパクにも変異型HOPタンパクにも同程度に結合することが確認された。HOPと結合する新規物質同定という観点からはきわめて有意義な結論といえ、目的のひとつは十分に達成されたといえる。.しかしながら、変異HOPが心機能障害をきたす機序の解明が本研究のもうひとつの目的であり、これを達成するためには、HOPの有する生物学的活性を軸に今後の検討を進めていく必要があると考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Evaluating Japanese patients with the Marfan syndrome using high-throughput microarray-based mutational analysis of fibrillin-1 gene2011
Author(s)
Ogawa N, Imai Y, Takahashi Y, Nawata K, Hara K, Nishimura H, Kato M, Takeda N, Kohro T, Morita H, Taketani T, Morota T, Yamazaki T, Goto J, Tsuji S, Takamoto S, Nagai R, Hirata Y
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Journal Title
Am J Cardiol
Volume: 108
Pages: 1801-1807
URL
Peer Reviewed
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