2010 Fiscal Year Annual Research Report
心臓線維芽細胞を標的とした新しい拡張期慢性心不全治療の開発
Project/Area Number |
21590936
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70404994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上地 正実 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (90296426)
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Keywords | 分子心臓病態学 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、新たなサイクリックAMPの標的分子であるEpac(Exchange Protein Activated by Cyclic AMP)の慢性心不全に及ぼす役割を検討することを目的とし、実験を行った。【方法】デオキシコルチコイド(DOCA)の錠剤(50mg)を頸部皮下に埋め込み、同時に1%NaClを飲水させることでアルドステロン+ナトリウム負荷を行った。マウスは野生型、Epac1欠損、Epac2欠損マウスを使用した。手術前、1週間、2週間、3週間、4週間後にそれぞれ心エコーを行い、手術4週後に心臓カテーテル検査、組織学的検討を行った。【結果】1.DOCA+NaCl負荷を野生型マウスと、Epac1欠損マウスに行ったところ、Epac1欠損マウスでは野生型マウスに比べて著明な心拡大を呈した。2.DOCA負荷により、Epac1欠損マウスの心臓組織でアポトーシスが著明に亢進していた。3.DOCA+NaCl負荷で、Epac1欠損マウスでは野生型マウスに比べて著明な左心室駆出率の低下を認めた。4.負荷によりEpac1欠損マウスでは心エコーにてE波のA波に対する割合が高くなった。5.負荷後4週間では、Epac1欠損マウスでのみ、心室の収縮性の指標であるMax dP/dtの低下、拡張能の低下の指標であるMin dP/dが増加した。6.負荷後4週間のカテーテル検査でEpac1欠損マウスで血圧の低下と心拍の低下が認められた。Epac2欠損マウスは各項目において野生型と差が認められなかった。【結論】アルドステロン負荷によりEpac1欠損マウスのみ心臓収縮、拡張障害をきたすことが明らかになり、その原因はアポトーシスの亢進にあることが示唆された。DOCA投与によるアルドステロン負荷でEpac1欠損マウスが著明な心不全を呈することを明らかにした。
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[Journal Article] 運動誘発性発作を呈するQT延長症候群の運動負荷心電図の特徴について2010
Author(s)
岩本眞理, 西澤崇, 渡部重朗, 市川泰宏, 志水直, 山口和子, 赤池徹, 横山詩子, 瀧聞浄宏, 佐近琢磨, 安井清, 柴田利満, 新村一郎, 横田俊平
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Journal Title
日本小児循環器学会雑誌
Volume: 第26巻第1号
Pages: 67-72
Peer Reviewed
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[Journal Article] Differential regulation of vascular tone and remodeling via stimulation of type 2 and type 6 adenylyl cyclases in the ductus arteriosus.2010
Author(s)
Yokoyama U, Minamisawa S, Katayama A, Tang T, Suzuki S, Iwatsubo K, Iwasaki S, Kurotani R, Okumura S, Sato M, Yokota S, Hammond HK, Ishikawa Y.
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Journal Title
Circ Res
Volume: 106(12)
Pages: 1882-1892
Peer Reviewed
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