2009 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における心筋修復機構の解明;心筋オートファジーとミトコンドリア機能解析
Project/Area Number |
21590939
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金井 恵理 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 講師 (20372584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 聖明 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10305576)
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Keywords | 心不全 / ミトコンドリア / 細胞死 / オートファジー |
Research Abstract |
本研究の目的は、心不全における心筋修復機構を、オートファジーとミトコンドリアエネルギー代謝の観点から明らかにし、心不全の新しい治療法開発につながる病態解明を目指すことにある。そこで平成21年度は、次の3点を行った。 1. 心筋オートファジーを評価できる実験系の準備。 まず、オートファジーの過程でオートファゴソームの膜に結合するLC3を検出すべく、in vitroではGFP-LC3を強発現した培養心筋細胞を、in vivoではGFP-LC3 transgenic miceを用意した。さらに、申請者らが開発した心筋オートファジー評価方法(Autophagy. 2008 ; 4 (3) : 322-9.)を用いるべく、必要な試薬、機器等を準備した。 2. 心不全におけるオートファジーの役割解明。 1で用意した実験系を用いて、まず心不全で惹起される交感神経系に注目し、交感神経刺激とオートファジーの関係を調べた。すると、交感神経α経路とβ経路はどちらも心筋オートファジーを惹起するのに、前者はアポトーシスを抑えることによって心筋保護に働き、後者は逆にアポトーシスを誘導して心筋障害に働くことがわかった(2009AHA.oral presentation)。また、心不全の過程においては、早期の拡張不全期にオートファジーが惹起され、収縮不全に陥ると逆に減弱することも明らかにした。現在この詳しいメカニズムを検討中である。 3. 心筋ミトコンドリア代謝とオートファジーに関わる研究。 強力な腫瘍抑制因子であるp53は、心筋のミトコンドリア代謝に影響し、アポトーシスを誘導することが知られる。このp53によるアポトーシス誘導に、オートファジーの抑制が関与することがわかり、このモデルにおける心筋オートファジーの心筋保護効果を示した。現在詳しいミトコンドリア代謝機構を検討中である。
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Research Products
(13 results)