2011 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における心筋修復機構の解明;心筋オートファジーとミトコンドリア機能解析
Project/Area Number |
21590939
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Research Institution | 明治国際医療大学 |
Principal Investigator |
金井 恵理 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (20372584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 聖明 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10305576)
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Keywords | 心不全 / ミトコンドリア / 細胞死 / オートファジー |
Research Abstract |
心筋オートファジーの流れを検出する新しい評価方法(Autophagy.2008;4(3):322-9.)を使い、心筋オートファジーの普遍的な役割を調べた。その結果、心不全の初期に心筋オートファジーが亢進し、心筋保護に働く可能性を突き止めた。また、虚血心筋ではp53-TIGARの経路が、ミトコンドリアのオートファジー"ミトファジー"に関与することを発見した(J Mol Cell Cardiol. 52,175-184,2012)。さらに、脂質代謝異常や糖代謝異常において、心筋ミトコンドリアが重要な役割を果たし、p53が関与することを示した(Circ Heart Fail 2011 Epub)。以上の実験研究には、次の方法を用いた。(1)心筋オートファジーにおけるミトコンドリアエネルギー代謝の調節実験;オートファジーにおけるミトコンドリアエネルギー代謝を、酸素電極やミトコンドリアの融合と解離の評価、糖もしくは脂肪酸代謝の検討、などを通して、エネルギー代謝調節経路を究明した。 (2)心不全モデルへの介入治療研究。;心筋オートファジーを調節して心保護に働く方法を、マウス心筋梗塞モデルとマウス糖尿病モデルに導入し、効果を生存率、心エコー、心筋組織検査、などで評価した。 以上の知見をふまえ、現在、がん化学療法における心筋障害を抑制する方法を検討中である。 動物実験系では、ドキソルビシン心筋症のモデルを用いて既存の薬剤によってオートファジーを調整できるかどうか、また心筋障害の進行を抑制できるかどうか、検討している。一方で、乳がん等がんの化学療法について後ろ向きコホート解析を行い、観察型疫学研究を実施すべく準備をしている。
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Research Products
(12 results)