2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳ー心臓軸による心筋再生と治療;心筋内アディポネクチン発現誘導との関連
Project/Area Number |
21590941
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
神田 享勉 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40261838)
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Keywords | BDNF / ストレス / 肥満 |
Research Abstract |
BDNFは、標的細胞表面上にある特異的受容体TrkBに結合し、神経細胞の成長を調節する液性蛋白質である。BDNFは自閉症や認知症との関係、神経疾患治療に応用可能な蛋白質として着目されている。BDNFのヘテロ接合性の欠失は、過食症と肥満になる。過食や肥満、または精神的ストレスにBDNFは関連している。ストレスで若者が急死することもある。心筋疾患は肥満やストレスによって発症や憎悪を誘発するものであるから、BDNFの減少が心筋疾患誘発や憎悪に関与する可能性がある。BDNFが肥満動物で脳海馬のみでなく、心筋内でも減少しており、食事制限や抗肥満薬によっても改善可能であること。また、心筋梗塞の傷害心筋内でBNDFが発現しており、心筋修復との関連を示した。心筋炎モデルでも、海馬のみでなく心筋内BDNFの制御が心筋修復に関与し、心筋再生に重要であることがわかった。 本研究で、肥満治療としての栄養制限が、心筋でBDNFとSirt1が誘導され、脳・海馬においても発現誘導が行われ、身体活動性が活性化されることを見出した(Kanda T et al., AHA Scientific Session, Florida, 2011)。食事制限によって肥満治療のみならず、心筋代謝改善につながり、身体活動が活性化されるキーファクターとしてBDFNがある。今後BDFN研究が寿命延長や良好な精神活動にどう関与するかを探ってゆきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)